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□アプリコットフィズ
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「真村くんって関西弁なんだって!?」
「…はい?」
「えー関西弁聞きたーい!」
「大阪出身なんだってー!たこ焼き好きなんだってー!」
「あ、あの…」

「そう!真村は関西人のシャイボーイ!無愛想にみえて、ただの人見知りなんだって!みんなどしどし話しかけてね♪」

「なに勝手にバラしとんねん!」
真村の本気の怒りに少しひるむ


「無理しなくていいよ。仕事するには絶対バレた方がいい。関西人の真村の方が素敵」
「………」


「ま、あたふたしたらあたしがフォローするから、さ♪」
「頼りないわ、先輩じゃ」

「あはは、2人コンビみたいー!」
「仲良いねぇ」

私たち2人を囲んで、温かい笑いが社内におこった






それから2週間経ったころには、真村はすっかり溶け込んでいた


「先輩のせいで仕事が増えたんですけど」
「ツッコミという仕事?」
「ほんまみんなボケたがり」
「…初代ボケ役としてはちょっぴり寂しかったりー」
「大丈夫です。先輩ほどボケてる人いませんから」
「ちょっとそれ褒めてるの!?」
「はは」


真村が嬉しそうに笑う
それを見て私の顔もほころぶのがわかった
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