ポケットモンスターSPECIAL
□照れて照れられて
1ページ/1ページ
「なぁなぁクリス遊び行こー」
机に座って足をぶらぶらさせる彼
「ちょっとぐらいいいだろ?たまには息抜きしないとよぉ。な?」
必死に気を引こうとするそんな子供っぽい彼を少し(少しだけ!)かわいいと思いながらも
「ダメよ!まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるの」
と断る
もちろん私だってゴールドと遊びに行きたいけれど、ね
「んだよー真面目だなぁさすが堅物学級委員‥」
そうボソッと呟くのを聞き逃さなかった
「そんなに言うなら一人で行ったらいいじゃない!」
「はぁ?そうしたかったらとっくにそうしてますよ」
「お前と行きてぇから言ってんだ」
「‥!!」
こっちをまっすぐ見てそう言う彼の言葉に顔が少し熱を帯びる
ストレートに弱いの知ってるくせに
「じゃあちょっと待ってよ。すぐ片付けるから」
「おー」
「…………」
「…………」
部屋に聞こえるのは私が走らせるペンの音と書類をめくる音のみ
「すげぇ集中力だな、俺がいても何にも気にならないわけ?」
私が何もしゃべらないから退屈そうにゴールドが言った
「そうよ、だって集中しないと終わらないもの」
「ふ〜ん」
すると突然
隣に座って手を回してくる
「なっ!?//」
「なんだよ、続けろよ。気になんないんだろ?」
ニッと悪戯く笑うゴールド
「っっ」
こうなったら本気で集中して気にしないでやる
「えーっと…ここは」
「ん〜これ誤字じゃねぇか?」
顔を近付けて聞いてくる
ち、近いっ
息がかかる
金色の瞳と目が合い
その瞳に吸い込まれそうになる
ちゅっ
「あ、思わず」
「なっ何してっ//」
「………」
すると次の瞬間、ゴールドが離れた
「?ゴールド?」
心なしか顔が紅いような…
「もしかして照れてる?」
「…くっそ。何で俺が照れんだよ」
「自分からやっといて」
「るせー」
こっちを見ようとしないゴールド
そんな彼の耳は真っ赤で
「ゴールドも照れるときあるんだ」
「んだよ、いきなり余裕になりやがってよぉ!」
「ふふふ」
普段は私ばっかり照れてるからゴールドの方が照れるなんて何か嬉しい
なんてウキウキしながら
机に向き直る
「さ、早く片付けなきゃ」
「…やっぱ今日は家にいねぇ?」
「え、外に行きたいんじゃないの?」
「んー家でイチャつくのもいいかなーって」
「なっ」
「今度こそ俺がお前を照れさせてやるよ」
そこにはもう
いつもの悪戯な笑みを浮かべた顔に戻ったゴールドがいた
「う……」
やっぱり彼にはかなわない