ポケットモンスターSPECIAL

□照れて照れられて
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「なぁなぁクリス遊び行こー」
机に座って足をぶらぶらさせる彼

「ちょっとぐらいいいだろ?たまには息抜きしないとよぉ。な?」


必死に気を引こうとするそんな子供っぽい彼を少し(少しだけ!)かわいいと思いながらも

「ダメよ!まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるの」

と断る


もちろん私だってゴールドと遊びに行きたいけれど、ね


「んだよー真面目だなぁさすが堅物学級委員‥」
そうボソッと呟くのを聞き逃さなかった

「そんなに言うなら一人で行ったらいいじゃない!」

「はぁ?そうしたかったらとっくにそうしてますよ」

「お前と行きてぇから言ってんだ」

「‥!!」
こっちをまっすぐ見てそう言う彼の言葉に顔が少し熱を帯びる

ストレートに弱いの知ってるくせに


「じゃあちょっと待ってよ。すぐ片付けるから」

「おー」


「…………」
「…………」
部屋に聞こえるのは私が走らせるペンの音と書類をめくる音のみ


「すげぇ集中力だな、俺がいても何にも気にならないわけ?」
私が何もしゃべらないから退屈そうにゴールドが言った


「そうよ、だって集中しないと終わらないもの」
「ふ〜ん」


すると突然
隣に座って手を回してくる

「なっ!?//」

「なんだよ、続けろよ。気になんないんだろ?」
ニッと悪戯く笑うゴールド

「っっ」

こうなったら本気で集中して気にしないでやる


「えーっと…ここは」


「ん〜これ誤字じゃねぇか?」
顔を近付けて聞いてくる

ち、近いっ
息がかかる


金色の瞳と目が合い
その瞳に吸い込まれそうになる


ちゅっ


「あ、思わず」

「なっ何してっ//」

「………」


すると次の瞬間、ゴールドが離れた

「?ゴールド?」
心なしか顔が紅いような…

「もしかして照れてる?」

「…くっそ。何で俺が照れんだよ」

「自分からやっといて」

「るせー」

こっちを見ようとしないゴールド
そんな彼の耳は真っ赤で


「ゴールドも照れるときあるんだ」

「んだよ、いきなり余裕になりやがってよぉ!」
「ふふふ」


普段は私ばっかり照れてるからゴールドの方が照れるなんて何か嬉しい

なんてウキウキしながら
机に向き直る


「さ、早く片付けなきゃ」


「…やっぱ今日は家にいねぇ?」
「え、外に行きたいんじゃないの?」

「んー家でイチャつくのもいいかなーって」
「なっ」

「今度こそ俺がお前を照れさせてやるよ」

そこにはもう
いつもの悪戯な笑みを浮かべた顔に戻ったゴールドがいた

「う……」

やっぱり彼にはかなわない

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