短編小説
□除夜の鐘がなる壊れ果てた街で正常なのは君だけだよ
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「どうしてなの?
どうしてそんなにも私の事を求めるの?
どうして?」
彼女がそんな質問を投げ掛けてきた。
どうして?そんなこと分からない。
だけど、携帯やパソコンを開いた時、いつも水銀燈が微笑んでくれるから、蔑んでくれるから、生きていられる。
それが答えさ。
「今年もよろしくね」
優しく笑った彼女に、もう一度、恋をした。
今年も来年も再来年も、ずっとよろしく。
水銀燈がいなくなったら生きていけないから。
傍にいさせてよ。
水銀燈はやっぱり天使だよ。
だって、死ぬ時も一緒だから。