天使と悪魔

□君が落ちた日に
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夕飯も入浴も済んで、後は寝るだけ。

看護婦さんとの楽しい世間話を終えると、自室に戻った。

入院した当初はこの、白く、薬品の臭いのする異質な空間が嫌いだったが、もう慣れた。
慣れとは恐い。
住めば都という言葉があるように、この空間が私の居場所だと錯覚してしまう。
私の居場所は、私の自宅なのに。

電気を消して布団に入ると、暖房が効いているにも関わらず、シーツの冷たさに身震いがした。
掛け布団を顔までかけ、夢の国へと誘われようとした刹那、窓の外から変な音がした。
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