天使と悪魔
□君が落ちた日に
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隣の部屋は空室。
逆隣の部屋に入院している柿崎めぐちゃんは、今日は手術な筈だ。
他の入院患者もいない。
それなのに、どうして物音がするのだろうか。
もしかして…幽霊?
心霊現象の類いは苦手なので、耳を塞いで眠りこけることにした。
歌が聞こえる。
その声が余りにも綺麗過ぎて、恐怖よりも誘惑に負けて、布団から起き上がった。
恐る恐る窓を開ける。
周りを見回すと、右側に黒いものが見えた。
人間?にしては小さいし、黒い羽根が生えている。
人形?
人形が窓の、建物の縁に座っている?
黒い人形は私に気付き、驚いて体勢を崩し、黒翼を浮遊させながら、落ちていった。