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過去の傷

仁王×柳生

注+暴力混

「柳生…俺を本当に許しているんか?」
仁王は柳生に寂しげな口調で聞く。柳生は顔を上げた。
「…許していますよ?」
「嘘じゃなか?」
仁王は泣きそうな表情をしている。
「ええ」
柳生は優しく微笑んだ。仁王は俯いた。
「あの頃を思い出したんじゃ…あの頃を…」

………………

「柳生がこない大人しく捕まるとは思ってもいなかったぜよ?」
中二になった頃だった。
柳生の唇から血が流れた。顔は殴られ、痕が酷い。柳生は顔を歪めていた。
「何故この様な事を…」
仁王は柳生を眺めた。殴ったのは仁王だった。
「何でじゃろ…そういうプライド高くてお綺麗な奴を汚してやりたいと思ったまでじゃ」
仁王は笑った。楽しそうに。
「放して下さい!」
柳生は怒った声で言った。手首を縛られている。
「嫌じゃ」
仁王は柳生にキスをした。舌を侵入させる。唾液の嫌らしい音を立てる。
「ん…っ…」
柳生は顔を赤らめた。
「な、何するんですか!」
「キスもしたこと無いんじゃな。可愛いもんじゃ」
柳生は少し息が上がっていた。
「キスだけで感じとるん?紳士なのに嫌らしいんじゃなぁ。あの子がこんな柳生知ったらどう思うじゃろな?」
あの子…それは当時柳生が好きだった女の子だった。
「!!」
柳生は顔を赤らめた。
「彼奴の何処が良いんだか分からんのう…顔あんま良くないしの…んだったら俺が女装した方がマシ、いや綺麗かもな」
「彼女まで悪く言うのはやめて下さい!」
仁王は笑った。
「そうじゃな。今日は放しちゃるよ?」
仁王は柳生の手首を放した。柳生は仁王を睨むと駆け去って行った。
「…面白かなぁ…」
仁王は柳生の背を見送った。



*後編に続きます。暴力混みです…
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