-Novel1-

□永遠の音〜Eternal Melody〜
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色鮮やかなエメラルドグリーンの小さな星が、宇宙空間を漂っていた。誰の目にも止まらないようなごく僅かな存在で、鮮やかさとは裏腹に、今この星は瀕死の状態を迎えていた。事の発端は、星に寄生した植物だった。しかし、ただの植物ではなかった。その植物とは──

「出たーっ!!」
「逃げろーっ!!」
「食われるぞーっ!!」

星に棲息する者達が吐き出す炭素によって、異常な繁殖をした、吸血の植物だった。

「絡め取られたら、血を全て抜かれるぞ!干からびたくなかったら、逃げるんだ!」

そして、最近になってこの植物が大量に増えた、通称異世界ギーナ。始まりは、この工場だらけの世界から起こった…。



「…わーん、僕のおやつ無くなってるーっ!」
「ふっふっふ、諦めろセァクーイ君。おやつというものは、早い者勝ちなのだよ」
「………」

工場の一室。幾つもの配管が連なる機械的な音が鳴り響く中で、賑やかな場違いの声がする。

「何だよ、勝手に食べたって事でしょ?!」
「ふっふっふ、そうとも言う」
「………」

そこには三人の…とはいえ、一人は既に呆れていたが。

「…あれは、僕の楽しみで…折角取り置きしてたのにーっ!!」
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