Zack

□相変わらずな僕ら
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「ぐ〜…」



…あの〜、ザックスさん?
この状況で、よくそんな暢気に寝てられますね?

真っ暗闇の中、あたしは一人ファイア片手に分厚いマニュアルと格闘しながら、慣れない精密機械を相手に悪戦苦闘中。
そんなあたしを放って隣で爆睡してるザックスに、渾身の力を込めた“捨て身パンチ”を喰らわせてやりたい気分です。

なんであたしがこんな目に…









事の発端は、魔晄炉を制御する機器に異常が生じたらしい。と報告を受けた事に始まった…。

今朝のタークス指令室

いつも通りの15分前出社。
欠伸を噛み殺してオフィスへ向かうあたしの前に、これまたいつも通り、眉間に皺を寄せたヴェルド主任の浮かない顔。

…ヤな予感。あたしは即座に踵を反すと、その場から逃走──が、失敗…

なんだ、私と会えて随分嬉しそうだな?と、黒い笑みを投げつけるヴェルド主任に、出社早々SE(システムエンジニア)の護衛をしろと、面倒臭そうな任務を押っ付けられた。しかも、元気が有り余ってる様だから、周辺を荒らしてるモンスターを一掃して来い。と言うオマケ付きで…。
そうゆうのは本来ソルジャーの仕事なのでは?と、思ってはみたものの…所詮、タークスだって給料制のサラリーマン。文句など言える筈も無い。
あたしは出掛かった言葉をゴクンと飲み込むと、二つ返事で引き受けた。
…セフィロスじゃあるまいし、あたしに拒否権なんて無いんだよ…。



そのまま、重い足取りで向かったヘリポート。
真面目な事に、あたしより先に同行予定のエンジニアが待っていた。
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