Zack

□効果的なalgorithm
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何だか今日は、気持ちのコントロールがうまくいかない。
…疲れてるのかな?







いつも通りの遅いランチ。
仕事が仕事なだけに、ランチタイムなんてのは決まってなくて、空いた時間に手短に済ませる。

長期に渡って各地からソルジャー候補をかき集めて来たあたしは、昨日三ヶ月ぶりに戻って来た。
今、深刻な人手不足にあるタークス。休みは貰えなかったけど、今日はその任務のデータ処理と言う、比較的楽な仕事を割り当てられた。
アバランチの動きが活発なこの時期、休暇はやれないが、身体を休めなさいと言うツォンさんの暖かい心遣いだろう。
今日中に終わらせれば、あたしのペースで構わないとも言ってくれた。

…けどさ、無理でしょ?
百人近く居るんですよ?ソルジャー候補…
一人一人の個人データ、打ち込むだけで一日…いや二日はかかる。
でも、受けたからにはなんとしてでも終わらせなきゃって、パソコンの画面とにらめっこ。
気がついたら、帰社してから一歩も社外に出てないし、ご飯も食べていない事に気が付いた。
さすがにこれじゃ身体が持たないと、リフレッシュを兼ねたランチに赴いた訳ですよ。
“兼ねた”ってトコがまた泣けますが…。

食堂で適当に座ったテーブル。周りを見回してみるが、さすがにこの時間になると空席が目立つ。

あたしは一人、その社員食堂で分厚い本を片手に、お皿の上でフォークをクルクル回してた。
本を読みながらなんで、味なんてよく分からない。
なんだっけ、コレ…

フォークに絡まったそれを口へと運び、パラリとページを捲る。
本の内容なんてどうでも良かったけど、資料室で適当に見つけたその本は、星のなんちゃら…とかいった星命学の本らしかった。



…ライフストリーム


…星


…エネルギー


…循環?



空っぽの頭でぼんやり眼を通してると、不意にコツコツ近づいて来る足音に気付いた。
それが背後でピタリと止まる。

「…久しぶり、ザックス」
「なんだ、気付いてたの」

活字から眼を離す事なく、軽い挨拶。
ソルジャーってそんなに暇だったっけ…なんて考えながら、またページを捲る。

「眼鏡なんてかけるんだ」
「…コンタクトの買い置き、切れちゃってさ」

落ちてくる眼鏡を鼻先に伸ばした指で軽く押すと、頭上からふうん…という呟きが返ってきた。

「…ザックスも、今からランチ?」
「え?…いや」

じっと見つめる視線
…羞恥プレイですか?
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