Reno

□Special Blend Coffee
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「ちょ…邪魔」
「…先輩に対してそーゆー口の効き方は、良くないぞ、と」

「じゃあ、真面目に仕事して下さい!レノ先輩!!」
「…ムリだぞ、と」

何ですか?この超ワガママな赤毛は?!可愛げもへったくれもあったもんじゃない!この書類の山を目にして、よくもそんな事が言えますねッ!

──ガタンッ!

「お?」

ナンダナンダ?と寝転がったソファーからこっちを見上げるが、関わるのも面倒なのでシカトを決め込む。
気分転換にお茶でも煎れようかなと、給湯室へと向かった。

「お?俺、ブラックねー」

後ろから何か聞こえた気がするが、そのまま無視する方向で。
なんであたしが、仕事もしないレノのコーヒー煎れなくちゃいけないんですか!
寝言は寝てから言えってんだ!

この前見つけたcoffeeshopの紙袋を取り出しハサミを入れると、挽き立ての様な芳ばしい香りが鼻を擽る。

ん〜、良い香り
ここのブレンド美味しいんだ。

コポコポと時間をかけてゆっくり落とす。

やっぱサイフォン欲しいよね。今度お願いしてみようかな。美味しいコーヒー飲めるんだもん、ツォンさんもきっとOKしてくれるよね。

ポタポタと落ちる褐色の液体を暫く見詰めていると、何だか気持ちが和らいできた。

ツォンさん早く帰って来ないかな〜。今なら煎れたての美味しいコーヒーが飲めますよ〜。

「良い香りだな、と」

狭い給湯室に、無理矢理肩を突っ込んでくるレノ
マジ、ウザいんですが。

「邪魔なのでアッチ行って下さい」
「…最近冷たいぞ、と」

「ツォンさんやルードみたく真面目になったら、態度を改めますが?」

任務に関しては自称エースなだけあって、戦闘センスは良い。でもそれ以外は、はっきり言って酷いもんです!
今だって、あの書類の山の半分はレノのなんだから!

「…報告書って、苦手なんだよ」

何よ、いきなり大人しくなっちゃって。そうやって同情を引こうったって、あたしには通用しませんからねッ!

「あたしだって苦手だよ」
「カイの方が事務処理、速いだろ?」

「だからあたしに押し付けたと、そう言いたい訳?」
「…悪かったよ」

…今日は随分素直じゃん?──何か企んでるな…
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