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□一方通行?それとも…
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「ただいまー…」
答えはないとわかっているけれど
それでもつい期待をして言ってしまう
「遅かったな」
靴を脱ぐ瞬間、予想していなかった返事が帰ってきて一瞬目を見開く
「な…んで…リボーン?」
「なんでって、ここは俺の家だぞ」
「そうだけど…」
今日も愛人のところだと思った、なんて言えなくて黙り込む
そして2人でいながらも無言の時だけが刻々と流れた
もう長い間話していなかったような気がして、リボーンとの話し方なんてすっかり忘れてしまっているような感覚
たった一週間だけなのに
すれ違って、すれ違って片っぽしか通ってない俺の気持ちはいつもいつも痛みばっかり
でも、それでも
ベッドの脇に座ってタバコをふかす君が愛おしくて
ぎゅっと抱きしめてキスをする
それを拒まないから更に痛くて悲しくて
つい、本音が出る
「ねぇ…どうして俺だけをみてくんないの?」
驚いたように目を見開いたリボーン
それは予想外の反応
「見てるじゃねーか」
「嘘つき!嘘つきだよリボーンは…」
だって
だって
だったら
「なんで俺を抱いてくれないの」
愛人は抱くのに俺は抱いてくれない
本当に俺は眼中にも入ってないんでしょ
ぽろぽろとこぼれてくる涙はもう止まらなくて、自分が更にみじめになる
負け犬みたい
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