それは全ての

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第一話
フラグが立った
(アニメ60話より)












あ、バイトの時間間違えた。
今日午後からじゃん。…ま、いっか。まだ10時過ぎたばっかりだし、そこの公園でダラダラしてよう。
ってか、slmnの世界って自然公園?多いよね。噴水の周りにベンチだけって…カップルしか座れねーよ!座るけどね。





「あー、癒される。」


チチチッ…
鳥のさえずりとか聞いて。ただぼーっとベンチに座ってるってゆーのも…うん。悪くないかもしれない。
家は気まずいし。主要キャラに会わないように神経使うし。地場 衛には会ったけど。あれは不可抗力ってゆーか。…ってか、あんな毎週本屋通っててよく姉さんが怒らないよな。ま、関係ないんだけど。

上を向くのも辛くなってきた。
顔を前に戻して首を左右にふっていると…


ボート…?へぇ。
ここ、ボートもあったんだ。
木々に隠れてちょこんと見えたボートと黄色いお団子頭。
をいをい、リア充め。ボート一隻しかないじゃん。ラブラブボートを貸切でなーにしようとしてんだか。しかも黄色いお団子頭って。
……。
………?
………!?














をいー!
フラグ立たせんじゃねーよ!なんだよ黄色いお団子って!いないよ!

とんとんっ

前世にも現世にも姉さんしかいないよっ!

とんとんっ

ちょ!身内のラブラブボートなんて見たくないよっ!

とんとんっ

どんだけ乙女な世界観だよ!っつーか

「ちょ!さっきから人の肩とんとんとんとん、マッサージされに来てんじゃないんですけどー!」


「よっ!」








振り向けば、地場 衛。











「…………え?」
え?え?ぇぇぇええええええ!?









「え、ちょ、は、あれ…?…何でここにいんの!?」

「?なんでって…俺が公園に来ちゃいけないの?」

「イラ…ちっげーよ。姉さんボートに乗ってるのになんで…っもー!!」
なんだよ、もー!なんかめっっちゃ居たたまれないじゃん!姉さんの彼氏と一緒に姉さんの浮気目撃とかアイタタすぎてどーすりゃいんだ!


「なーに見て……ん?あれ…」


!そーだ、こんなことしてる場合じゃない。誰だよ、あれ。姉さんとこのたらしがくっつくのは月に王国があったころから決まってんだぞ、この世界じゃ!!
…つーか、お前も何呑気にしてんのー!?


「あおいちゃん……」

「………。ゴクッ」


「覗きとは…ちょっと趣味がよくないよ。」
「黙れ変態。」

もーどいつもこいつも!……確かめに行くしかない、か?
ごくりっ
こっそり木の陰から覗けば、気づかれないよね。…身内のとか、気まずいし。
相手が誰か見たら、すぐに帰ろう。
こっそり、こぉっそー………


「…何で付いてくんのっ!?

後ろから誰かが付いてくる気配はしてた。状況的に十中八九、さっきまで一緒にいた地場衛だと思い後ろを見て話しかける。

えー、何か面白そうだし。…それに…!?あおいちゃんはここで待ってて!」

急に大きな声を出して茂みをかけていく地場衛にびびってとっさに姉さんの方を見ると。

ピンク頭の子どもが一人。姉さんに何かを突きつけていた。


相手の男は倒れているみたい。
え、あの子どもになんかされたの?あんな子どもに倒されるほど弱いの?…男なのに?
あー、もしかして待ち合わせしてた姉さんにナンパしてたのか?あちゃー、地場衛がもうちょっと行くの遅かったら危なかったよ、姉さん。
危機感持とうよ…。

あ、なんかめんどくさくなってきた。
姉さんと地場衛が一緒に居るとか、限りなく危ないし…うん。ちょっと早いけどバイト行こ「ぉーぃ、あおいちゃーん!おいでー!」








あ い つ !
この距離で叫びやがった!!!
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