それは全ての

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プロローグ
始まりは夢の中










幼稚園に通って少したったときだった。
お昼寝の時間。
いつも通り、お気に入りのオレンジ色のタオルケットにうさぎの人形。姉さんとお揃いの人形はもふもふでふわふわで抱き心地がものすごい良かった。

あ、話しがそれた。
もふもふでふわふわのうさぎは置いといて。

なずえちゃんとのぼるくんの間でお昼寝をした。これもいつもの順番。夏だったから暑かったけど、プールで遊んだからすぐに眠くなって。













気づいたら、テーブルに座っていた。

「あおいー?いつまでぼーっとしてんの!学校間に合わなくなっちゃうわよ⁉」

「…え?」
だれだ。え、何ここ。なんで知らない家のテーブルに座ってんの?目の前にはトーストと納豆。えぇー、あわなくね?そうそう、絶対合わないって思ったんだけど、意外といける組み合わせだった。…いや、こんな話じゃなくて。
あの人誰よ…?茶髪のショート。ボブっぽくしたかったけど美容師さんの腕がちょっとあれで出来なかったんだよね、それ。
……ん?いや、なんでさっきからよそん家の事情詳しいの、自分。
よそん家、の…。
よそん、家…。
よその、家?
あれ?
まさか。






「…お、かー…さん?」

「何よー、まーだ寝ぼけてるの⁈さっさと学校行きなさい!」

「!?はいぃっ!」
急いで脇にあったバックをひっつかんで家を出る。スカートのポケットに入ってる携帯で時刻を確認すると07:13。まずい、25分の電車に乗らないと遅刻する。

そうだよ、そうだよ。
何混乱してるんだ。あれはお母さん。あそこは17年間住んでいる自分の家じゃないか。今は一学期後半であと一週間で夏休みだ!なんだよそん家って!中2病か!恥ずかしいよ!
ったく。
変な夢を見たせいで、随分寝起きがよろしくなかったなぁ。


あれ?そーいえば…













何の夢見てたんだっけ。

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