acatalepsy

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0話





思えば“コレ”は自分と1番長く共に居るのではないだろうか?


名無しはそんなことを考えながら目の前で急ブレーキをかけているトラックのヘッドライトを見つめていた。
月曜日の午前7:30。幹線道路に架かる横断歩道の真ん中より少し手前。信号は歩行者が青。
そんないつも通りの日常から、この場所だけが切り離されたみたいだった。



飛び散る赤と、響くブレーキ音
飛ばされる身体と、轟く悲鳴


それはまさしく交通事故の凄惨な現場だった。
ただー…
冒頭で独白していた少女の顔はその場所では似合わない程の



笑顔だったけれど。
(世界からの解放)
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