acatalepsy

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自分は確かにトラックに轢かれた、


…はずだ。








名無しは自分の左腕を抓ってみる。
………いたい。
可笑しい。確かにあの朝、トラックに轢かれた衝撃が身体中を駆けたのだ。声をあげることも出来ない痛みを受けたが、心はとても穏やかだったじゃないか。身体も心も覚えているのに。
なのに、目の前に広がるのは自分の知らない何処かの公園と遊具ではしゃぐ子供達。










白昼夢、とか?

考えて考えて、考えた結果だった。ジーザス。まさか自分が夢にみるほど死にたかったなんて。くらりと眩暈のする頭を抱えた、その時。




…ん?





なんだろう、今。小さな手が見えた気がする。
脇を向くが、ベンチには自分1人しか座って居なかった。







とりあえず、家に帰ろう。
そう決めてベンチを降りようとして、ようやく自分の状況を把握した。



え、地面遠っ…!脚短っ!
ぇぇえええー!?ちっさくなった!
(縮んだ身体と追いつかない心)
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