小説(リボーン)短編

□将来計画進行中
2ページ/4ページ

 
階段下まで行くと、イーピンがランボとはしゃいでいた。
否、追いかけられていた。
ランボは泥のついた靴を振り回し、イーピンはそれに当たらないように逃げている。
すでに顔や服には泥が点々と…。
 
 
「……………」
 
 
ふとランボの動きが止まる。
どうやら雲雀さんのものすごい睨みに気づいたらしい。
雲雀さんはそのままランボに近づいていく。
ランボは靴を落とし、冷や汗をダラダラ流している。
 
 
 
「………君」
 
「くぴゃっ」
 
トンファーが構えられる。
ランボ相手ならそんなもの必要ないだろうに。
脅しも兼ねているのだろう。
 
「僕のイーピンに何をしてたの?」
 
“僕の”って言い切った――っ!!
イーピンを見れば、目がハート状態。
ピンズが出ていないのが幸いだ。
 
雲雀さんはジリジリとランボに詰め寄る。
 
ランボの目に涙が溜ってきたその時―――……
 
 
 
突然ランボの姿が消えた。
いや、持ち上げられた。
視線を上に向ければ、やはりと言うべきか、彼の姿があった。
 
 
「クフフフフ…雲雀恭弥、人のものに手を出さないで頂きたいですね」
 
「何言ってんの。人のものに先に手を出したのはそっちのガキだよ」
 
 
「「……………」」
 
 
一触即発な雰囲気。
だがこんな所で暴れられたら非常に困る。
 
 
 
 
「2人共落ち着いて下さいっ」
 
「何?邪魔する気?」
 
「彼とは決着をつけなければと常々思っていましてね」
 
 
駄目だ。俺だけの力では止められない。
やはりここは2人の力が必要だった。
 
まだポカーンと雲雀さんを見上げているイーピンに向かって俺は尋ねた。
 
「イーピンっ、イーピンも雲雀さんには戦ってほしくないよね?!」
 
「ξνΦヱ∬×£ヰ×!!」
 
何て言っているのかはわからないが、どうやら同意してくれたらしい。
激しく頷いた後、手を上げながら交差してバツのマークを作っている。
その姿がまぁ、俺から見ても可愛かったわけで、ともすれば雲雀さんから見たら悩殺モノだろう。
案の定、雲雀さんはトンファーを床に落としイーピンに見入っていた。
 
よし。後はパイナポーだ。
 
 
「骸も、ランボがいる所で戦う気?怪我したら大変だし、第一戦ってる時の骸って結構すごい顔してるから、ランボがそれ見たら怖がっちゃうかもね〜」
 
「っ?!!!」
 
骸は慌てて抱えているランボを見る。
心なしかランボは不安そうな顔をしていた。
というか先程雲雀さんに脅された恐怖が残っているだけのようにも見えるが。
 
 
 
 
「……イーピン、僕が戦うのは嫌?」
 
「ヱ○£ηζヰ!!」
 
「僕が傷つくのは嫌?」
 
「ζヱ○ヰηδ!!」
 
「そう。うん、大丈夫、君がそう言うなら僕は戦わないよ」
 
 
え……なんか一方的に会話が成立してる…。
 
 
 
 
 
 
「ランボ、やはり君に残酷なものを見せるわけにはいきませんね…。君には血生臭い世界より平和な世界を見せたいです…」
 
「ランボさん飴玉好きー!!」
 
「えぇ、僕も君が好きですよ」
 
 
……こっちはこっちで言葉は通じてるはずなのに、お互い勝手に自分の都合のいいように解釈してる…。
 
 
  
 
 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ