小説(リボーン)短編

□告白
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ボンゴレリング争奪戦から2週間。
 
あれからザンザスは毎日沢田家に顔を見せていた。
しかも花束やら菓子やら手土産を必ず持って。
そして何をするでもなく、ただツナの側にいるだけだった。
 
 
 
 
 
 
今日はまだザンザスは来ていない。
天気のいい日曜の昼下がり。
ツナでなくとも昼寝したくなるだろう。
机に突っ伏し、そのまま寝てしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ん………」
 
やばい、寝すぎた。
いくらリボーンがいないからって、宿題くらいはやっておかないと恐ろしい目に会う。
 
……ん?背中に何かがかかっている。
 
――って………………
 
 
 
 
 
「ぅわぁあぁあ!!」
 
ツナは思わず椅子から転げ落ちる。
机の横でザンザスがあぐらをかいていた。
 
「ザザザンザスッ?!なな何でここにぃぃ?!」
 
動揺しすぎ。
よく見れば、背中にかかっていたのはザンザスの上着だった。
 
「安心しろ。キスしかしてねぇ」
 
「はぁっ?!!!」
 
「冗談だ」
 
「………」
 
本気でびっくりした…。
せめてファーストキスは自分が意識のある時にしたい。
だからといってザンザスにしてもらいたい訳ではないが。
 
 
何故彼が毎日自分の所に来るのか、正直ツナにはわからなかった。
とりあえず自分もザンザスの前に座る。正座で。
 
 
「今日は…何か用ですか?」
 
「別に」
 
これでこのやり取りは何回目だろうか。
そしていつも、何もせず帰って行く。
今日もそうだと思っていた。
 
 
 
 
 
 
「キスしていいか」
 
「………………はぁぁ??!!」
 
ちょっと反応が遅れた。
何いきなり。
ていうかいつもは何もせずに帰って行くくせに。
 
「じょ…冗談……」
 
「これは本気だ」
 
期待を持った疑問もあっさり否定される。
 
「ど…どうしたんですか急に…」
 
「急にじゃねぇ。前から思ってた。ただ、さっきおまえがあんまり無防備に可愛い寝顔さらしやがるからしたくなった」
 
可愛いって…俺男なんですけどぉ?
 
 
「キスが駄目ならセッ…」
 
「駄目です!!!!」
 
最後まで聞こえてはいないが、何を言おうとしていたのか位はわかる。
 
 
「どうしたんですかザンザスさん、今日何か変ですよ?」
 
主に脳内が。
 
「今まで何の為に律義に通ってたと思ってんだ」
 
「はぁ……俺もそれが謎です」
 
「………」
 
何やら黙って考え込んでしまったザンザス。
一体何だというのか。
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