小説(リボーン)短編

□告白
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「……よし。オカマかっ消す」
 
「はぃ?!」
 
口を開いたかと思えばそんな物騒な台詞。
立ち上がって有言実行しようとしているザンザスを慌てて止める。
 
 
「ちょっちょっとっ、何なんですかいきなり?!」
 
オカマとはたぶんルッスーリアの事で、彼(?)はおそらく了平の所にいて、そこには妹の京子もいるわけで、このままでは惨劇が繰り広げられかねない。
 
「どうしたんですかホントにっ」
 
 
「……日本人は察しのいい民族だと聞いた」
 
「え〜と…確かにアメリカとかよりは……無言でアピールとかもありますし……」
 
「だったら気づけ」
 
「は?」
 
どうやらその察しの能力は自分に求められているらしい。
彼のこれまでの言動・行動と言えば、ただウチに来て側にいるだけ。話らしい話も、そんなにはしていない。
 
 
 
―――わからない。
 
 
 
「あのぉ〜……イタリア風にしてくれると助かります…」
 
イタリア語は無理だが。
 
ザンザスはチッと舌打ちし、今までのはなんだったんだと毒づいた。
 
そして―――
 
 
 
「好きだ。付き合え」
 
 
「…………………は?」
 
 
今、何と言われた?
 
「いいな」
 
「いいなって…言われても……」
 
いきなりすぎて思考がついていかない。
 
「嫌なら結婚だ」
 
「それはおかしいですよね?!」
 
同性というのもそうだが、付き合うのが駄目なら結婚って……。
っていうか、ザンザスってこんな奴だったっけ…?
 
「おまえの要望通りイタリア風にしてやったんだ」
 
いや、イタリアでもここまでストレートな人は珍しいと思いますけど?!
 
 
「あの…す、好きというのは…ファミリーとして、という意味じゃあ……」
 
「ねぇだろ。ちゃんと聞ーてたか?結婚しろ」
 
「何かさっきと言ってる事違くないですか?!」
 
お付き合いが駄目なら結婚ではなかったか。
てか結婚って同性じゃ出来ないし…いや、外国では出来る国もあるって聞いた事がある。
じゃあイタリアは平気なのか…?
 
 
 
「で、どうする」
 
カッと目を見開いて睨んでくるザンザスは、はっきり言って怖い。
 
 
「お…お友達からは……」
 
「よし、結婚だな」
 
「おぉお付き合いからお願いします!!」
 
ニッとザンザスが笑う。
 
 
――しまった。
 
 
 
 
「じゃ、もういいな」
 
「はい?何が…………っんん?!」
 
 
何か来た。何か来た。というかコレは………
 
 
「んはぁっ………な…何、で……キス………」
 
「俺とおまえは付き合ってんだろ」
 
「……」
 
かなり無理矢理だが。
 
「ならキスしても問題ねーだろ」
 
「そーゆー問題ですか?!」
 
「何か問題が?」
 
 
駄目だ。何を言っても敵う気がしない。
 
 
「まさか、それを伝えたくて2週間も通い続けてたんですか?」
 
「あぁ。オカマ野郎が、日本人は察しがいいから何も言わなくても伝わるって言いやがったから」
 
 
ルッスーリアさん…変な事吹き込まないで下さい…。この人そのままうのみにしちゃう人らしいですから…。
 
 
 
 
 
「じゃあ、今日はもう帰るとする」
 
「あ…そうですか」
 
もういろいろ考えすぎて疲れた。
早く1人になりたい。
窓から入ってきたらしく、靴を履いていた。
そして窓から出ていくらしい。
まぁ、土足で廊下やら階段やらを歩かれるよりはましだが。
 
 
 
「……あ、忘れもん」
 
「ん?あぁ上着ですね。ありがとうございました」
 
「あぁ。それともう1つ」
 
「?」
 
 
――チュッ
 
 
「………………」
 
「挨拶だ。…また来る」
 
そう言ってザンザスは窓から出て行った。
 
 
……っこの、タラシがぁ――!!
 
普通挨拶でも口にはしないだろう。
これから本気でどうしようかと途方に暮れるツナ。
ルッスーリアの生命の心配をする程の余裕はなかった。
 
 
 
 
 
→後書き
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