小説(リボーン)連載

□遊園地Z
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次に見えてきたのは、定番中の定番、ゾウ。
だが、他に比べて少し人の集まりが多い。
 
 
「リボーン…?」
 
「今はゾウに餌をやれる時間なんだぞ。どうだ、誰かやってくるか?」
 
それに真っ先に反応したのが、山本だった。
 
「俺っ、俺行きてー!!昔っからやってみたかったんだよなー」
 
すると、隣にいるスクアーロもすかさず自分も行くと告げる。
常に恋人の安全を守らなければならないからだ。
まぁ、危険な事はないとは思うが。
本音は単に、少しでも近くに一緒にいたいからだ。
 
 
リボーンはニヤリと笑い、行って来いと言って2人を見送った。
 
一同はおとなしく彼らを見守る事にした。
 
 
 
 
「スクアーロっ、早く行こうぜ。先着25組までだってよ」
 
「…金かかんのかぁ…」
 
「俺が出すぜ?」
 
「いいや、俺が出すに決まってんだろぉ!!」
 
「だってやりたいっつったの俺だし…」
 
「遠慮すんなぁ」
 
「……おうっ。ありがとなっ」
 
 
それからは普通に長い棒に林檎やらを刺してゾウに食べさせた。
……2人で。
 
スタッフも、まさか男2人が棒を一緒に持つとは思っておらず、かなり驚いていた。
 
 
それから、ランボがやりたいと駄々をこねて結局骸と一緒に餌やりをして、次のエリアに向かうのだった。
 
 
何故山本が餌やりをやりたいと言ったかというと、ちょっとした思い出があるからだ。
父と2人暮らしでその父も店を経営していてなかなか休日も取れない。
動物園なんて簡単には行けなかった。
それでも、父が頑張って取った休みを使って行った時に、ちょうど今と同じ様にゾウに餌をあげたのだ。
それがすごく思い出に残っている。
だから、その幼い頃を懐かしく思ってやりたくなったのだ。
 
リボーンはそれを知ってか知らずか、ゾウの餌やりがある時間ちょうどにここを通るように考えていた。
 
 
ゾウに餌をあげた山本はご機嫌で、満面の笑顔を振りまいていた。
もちろん、スクアーロはその笑顔に耐えられずに顔を真っ赤にして必死に直視しないようにしていた。
 
 
 
 
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