小説(リボーン)連載

□遊園地\
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さらに進んで行く一行。
 
 
そこで、リボーンが何かを見つけて止まる。
 
「……おいマーモン」
 
「何?」
 
マーモンも立ち止まり、リボーンが見ている檻の中を覗いた。
すると、可愛らしいレッサーパンダが数匹いた。
 
「うわ、可愛いっ」
 
思わずそう言って乗り出すマーモン。
ふわふわでシッポも柔らかそうで、何より顔が素朴で可愛らしかった。
 
 
「おまえに似てるな」
 
「…へ?!」
 
リボーンの言葉に一瞬思考が停止する。
そしてやっと、このレッサーパンダと自分が似ていると言ったのだと理解した。
 
「にに似てないよっ!!どこが似てるっていうのさ?!」
 
「……雰囲気と顔?コイツら、守ってやりたくなるような感じするだろ?」
 
「っっ………」
 
それはつまり、マーモンも守ってやりたくなるような存在だという事。
言われた本人は顔を真っ赤にしてフードの端をきゅっと掴んで深く被った。
やっぱりフードは便利だ。
こんな時、顔を隠せるし。
 
 
 
そしてその一帯ではビーバーやワニ館もあった。
 
骸はワニに怖がるランボを堪能するとビーバーがいる所へ行き、2人で和んでいた。
 
 
スクアーロと山本は、ワニ館のワニに釘付けだ。
 
「このワニ、目つき悪いのなー」
 
「そぉだなぁ。さすがにデカイしなぁ」
 
「でも、目つきの悪さだったらスクアーロが負けちゃうかもな」
 
「ちょっ……武…?」
 
それはつまり、ワニに勝らなくとも同じくらい目つきが悪いと言ってはいないか…?
 
「でも、スクアーロの方が断然カッコイイのな!!」
 
「たっ…武……」
 
カアァァーッと真っ赤になるスクアーロ。
相変わらず、恋人からの甘い言葉に慣れないヘタレである。
 
 
「って…ん?他のみんなは?」
 
山本はたいした事を言った自覚もなく、次の建物に興味を惹かれていた。
 
 
 
その次の建物とは、ほたリウム。
予想はつくと思うが、ホタルのいる小屋だ。
 
 
「…了ちゃん…何だかすごく綺麗ね……星みたいだわ」
 
ルッスーリアがうっとりしながら了平の腕を抱く。
だが了平は気にせずホタル達を見ていた。
 
「俺はいつか、星を見つけて名前をつけるんだ!!その名も“ボクシング座”!!」
 
「了ちゃん、私の名前じゃないのぉ?」
 
「ん〜〜……ボクシング座だ!!」
 
恋人である自分よりボクシングを優先された事にかなりショックを受けるルッスーリア。
まだまだボクシングには勝てないのだろうか…?
 
だが、了平は少し照れながら言った。
 
「お、おまえの名前をつけてしまったら、おまえが人気者になってしまうだろう。あんまり人気者になってもらっても、俺が困るぞ」
 
「それって…どういう意味…?」
 
了平はしばらく考えるが、すぐに何かを叫んで考える事を放棄した。
 
「〜〜わからん!!わからんが、おまえが他の奴らと沢山一緒にいるのは気に食わんのだ!!」
 
「っ了ちゃん……!!」
 
次の瞬間、ルッスーリアは目をキラキラさせて今度は恋人を抱きしめた。
 
「嬉しいわ了ちゃん!!そこまで私の事を…!!」
 
「何?何の話だ?!」
 
どうやらわかっていない様子の了平。
それにルッスーリアは「すぐにわかるわ」と言って上機嫌で進んでいった。
 
 
 
その後ろでツナがげんなりしながらザンザスのセクハラに抵抗していたり、同様に獄寺もベルの手から我が身を守っていた。
 
 
ちなみに1番大変だったのは、ディーノだった。
 
「ちょっ…恭弥!!そんなにトンファー振り回すなって!!」
 
「こいつら群れすぎだよ」
 
「…って、ホタルだからしょーがねーだろ!!」
 
「関係ないね。僕の前で群れるとはいい度胸だ」
 
部下がいないなりに頑張って教え子をいさめ、ディーノは疲れた顔でほたリウムを出るのだった。
 
 
 
 
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