小説(リボーン)短編

□電話
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「うんうん、そう!!えっ、・・・アハハハハッ」
 
 
 
昼休みの教室。
ツナは携帯電話で誰かと楽しそうに話していた。
 
実はこの光景は珍しい事ではない。
1ヶ月程前から、ツナはこうして暇さえあれば誰かに電話をかけている。
 
 
 
 
「な〜んかアヤシイのよね〜沢田の奴」
 
「花」
 
黒川花が京子の肩越しにツナを覗く。
 
それに獄寺がピクッと反応した。
実は彼も最近愛すべき10代目の電話の相手が気になっていたのだ。
 
だが京子は何も不審に思っていなかった。
 
 
「ねぇ花、アヤシイって何が?」
 
「沢田の電話の相手よ。最初の方はビクビクしながら話してたから適当にパシられてんのかと思ってたけど、最近のアイツ、すっごい楽しそうだもの」
 
「あっ、ほら見て!!」と花が言って指をさせば、そこには少し頬を赤く染めて嬉しそうに電話をするツナの姿があった。
 
 
 
 
「えっ、ホント?!・・・・・・じゃあ・・・やっと会えるんだ・・・!!」
 
 
 
「??!!」
 
 
京子の陰にいる花が黄色い悲鳴をあげる中、獄寺はまさに失神寸前だった。
 
何ですか十代目?!相手は誰なんですか?!“やっと会える”?!どこのどいつなんですかぁ!!
 
 
 
そんな周りの静かな騒ぎも知らず、ツナはいつも通り「じゃあ、またかけるね」と言って電話を切った。
 
 
 
 
そこへ花が近づく。
 
 
「さ〜わだ♪今の電話の相手って誰?もしかして恋人?」
 
「くっ黒川っ。違うよっ、ただの・・・・・・友・・・達・・・?」
 
「何で疑問系なのよ。やっぱりアヤシイわ〜、めんどくさがりのアンタがちょくちょくと、しかも頬染めて電話する相手なんて」
 
「え?!頬染めて?!嘘っ」
 
うわ〜と言いながら両手で顔を覆う姿は、悔しいが女の自分より、もしかしたら京子と張るくらいの可愛さかもしれない。
 
 
すると、なんとか復活した獄寺がツナに詰め寄る。
 
「10代目っ、相手は誰なんですか?!」
 
 
だがツナは困ってしまう。
彼に電話の相手を教えれば、もしかしたら一騒ぎ起こってしまうかもしれない。
 
 
 
「・・・・・・内緒」
 
 
「なっ??!!」
 
 
ショックを受ける獄寺を他所に、花は「やっぱりアヤシ〜」と嬉しそうに笑う。
 
 
そこで午後の授業開始の予鈴が鳴ってしまったため、それぞれは席についた。
 
 
 
 
 
訳のわからない英語の授業など、今のツナには頭に入ってこなかった。
・・・まぁ、いつも理解など出来ていやしないのだが。
 
 
 
 
やっと・・・やっと会える・・・・・・ザンザス!!
 
 
 
 
 
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