小説(リボーン)短編

□カラオケ
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「と、いうわけで……カラオケに来たぞ〜っ」
 
子供らしく手を上げてはしゃぐ(フリをする)リボーン。
 
「何が“というわけ”なの?!」

ツナは狭いカラオケボックスの中でさらに狭い場所に座り叫ぶ。
 
「しかもボンゴレとヴァリアーのボスと守護者全員集合〜っ」
 
「ちょっとその言い方腹立つんだけど!!」
 
訳がわからずに連れて来られたと思ったらこんな状態。
ツナは歌が苦手な為、さっさと帰りたかった。
…いや、理由は歌の巧さよりもこの異様なメンバーかもしれない。
 
 
 
「…のわりにはなんか多くない?」
 
ちゃっかり獄寺の隣を陣取り周りを見渡すベル。
ちなみに獄寺の反対側にはツナが。執念で取ったらしい。
 
「この人の事でしょ」
 
雲雀がそう言って隣を指す。
そこにはまさかのキャバッローネファミリーのボス、ディーノがいた。
 
「あ〜ホントだ、そいつ違うファミリーじゃん」
 
「でででもっ、恭弥の家庭教師っつー事で何とか……」
 
弱々しくそう言う姿は、とてもマフィアのボスとは思えない。
 
「俺が呼んだんだぞ」
 
リボーンがフォローに入った。
 
「部下のいないディーノの歌は面白さ倍増だぞ」
 
……つまりは下手になるって事か…。
ディーノを見れば「ヒデー」だの「鬼畜ーっ」などと涙目で叫んでいた。
 
 
ちなみに、1番騒ぎそうなランボの声が聞こえない。
もしかしていないのかと思ったツナだが、周囲を見渡したら…………いた。
さっそくお菓子を食べている。
それを隣で嬉しそうに眺める骸。
普通、少し歌ってから頼むもんじゃないのー?!とつっこみたいが、きっとここからでは声が届かないだろうと思い、諦めた。
こんなに大勢いるのだ。歌わなくてもかなり騒がしい。
隣の獄寺もさっきからなにやら気遣いの言葉をかけている。
 
いつものように、どうか平和に終わりますように、と願うツナだった。
 
ちなみに今まで、この願いが叶った事はない。
 
 
 
 
 
とにかく、歌を歌おうという事になった。
まずは盛り上げなくちゃねと、ルッスーリアが1番手に出る。
手慣れた手つきで番号入力。何も見ずに。
番号暗記?!どんな歌だ?!と誰もが心の中でつっこんだ。
流れてきたのは……
“桃○片想い”ーっ?!
ルッスーリアの事だから女の人の曲だとは思っていたが…。
 
だがツナ以外は、題名と前奏だけではまだよくわかっていないようだった。
それもそのはず、獄寺は帰国子女、山本は野球ばかりの生活、雲雀はそういうのには興味なさそうだし、骸は日本に来たばかり…というか人の歌など気にしていない様子…、了平はというと興味深そうにじっと画面を見ている。
 
そしてルッスーリアはマイクを取り(小指を立たせる事を忘れない)、いつもより体をくねくねさせながら明らかに了平に向かって歌い出した。
 
……ちゃんと歌えてる…。
 
何故彼が日本の歌を知っているんだろうとか曲がちょっと古いだとか動きがキモすぎるとかいろいろ言いたい事が山ほどある。
ヴァリアー側もこの曲は知らなかったらしい。画面をくいいるように見ていた。
 
そしてルッスーリアが歌い始めた。
しかも振りつき。
くねくねしながらも、振りのある箇所だけは本物に負けないくらいバッチリ踊って決める。
 
……もう…見てられない……。
 
ツナは目頭を押さえてソファーに手をついた。
すると横から獄寺が「大丈夫ですか10代目?!」と肩を抱こうとし――…ザンザスによってその手はツナに触れる事はなかった。
 
 
 
 
ルッスーリアが歌い終わり、周りは異様な盛り上がりだった。
それに続けと言わんばかりに、皆曲のリストを見て探す。
満足気なルッスーリアは了平の隣に座ると「どうだった?了ちゃんっ」と聞き、了平は「極限に盛り上がったぞ!!」と褒めていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
〜後書き〜
ごめんなさい、続きません。
ホントは雲雀さんが歌ったり(もちろん校歌)、骸が店長脅してランボの歌を入れさせたり(「♪君は誰だい〜僕はランボ〜♪」ってやつ)、いろいろしたかったんだけど、何せ歌に縁のないメンバーが多すぎて(しかも外人多数)……結局何歌わせたらいいのかわかりませんでしたι
不完全燃焼……。
ルッスが踊りながら歌うのは、絶対キモイと思う(笑)
でもあの中で常識人はツナだけ。
あたふたしながらツッコミをしてくれてるといい(笑)
結局はルッス了みたいになった…かな?(これをそうと言えるのか…)
てかいきなりごみ箱行きって…ι
だって半端だし。
2007.11.2

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