小説(リボーン)短編
□ティータイム
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黒曜センター。
噂に聞いていたよりずっと古く、汚い。
壁は所々壊れている。水道や電気が通っているか疑うが、それはなんとか平気らしい。
「はぁ〜・・・」
スクアーロは大きくため息をついた。
何で自分が、と思う。
事は数時間前、日本にあるヴァリア―拠点地。
会議室にはボスであるザンザスにスクアーロ、それにレヴィとルッスーリアがいた。
ベルは仕事、マーモンも同じく仕事でいなかった。
「んで、幻術が必要だってぇ?」
ザンザスの簡潔な説明の後、スクアーロがそう言った。
「あぁ。だからカス、おまえ、あっちの霧の守護者連れて来い」
「はぁ?んなのマーモンに任せりゃいいじゃねーかぁ」
別に名指しされた訳ではないが、カスと呼ばれて応えてしまうあたりどうかと思う。
まぁ、ザンザスも明らかにスクアーロに向けて言ったのだが。
そしていくらリング争奪戦で負けたとて、こちらの霧の守護者であるマーモンも相当な幻術の使い手である。
「急ぎの依頼だ。遠くに飛んでるマーモンは間に合わねぇ」
「そうよぉスクアーロ♪それに守銭奴のマーモンとは違って向こうの娘さんに頼めば安く済むわよきっとv」
・・・確かにルッスーリアの言う通りだ。
だが・・・
「う”お”お”お”い!!それで何で俺が行くはめになるぅ!!」
「「スクアーロだから」」
見事にルッスーリアとレヴィの声が重なった。
「仕事だカス。黒曜に行ってあの女連れて来い。六道骸でも構わない」
ボスにそう言われれば断れるはずもなく、スクアーロは気が進まないまま黒曜センターに向かうのだった。