小説(リボーン)短編

□もどかしい気持ち
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全てをなかった事にしようと、「冗談ですよ」と骸が言おうとした瞬間。
 
 
「っ!!??」
 
ランボの唇が、自分の唇に重なっていた。
そして次の瞬間、ガチッと歯がぶつかる。
 
 
「「っっっ!!」」
 
互いに口を押さえて離れる。
 
口を押さえたまま下を向くランボ。
驚きながらも心配して声をかけようとして、骸は思わず固まった。
 
ランボが、これ以上ないくらい顔を真っ赤にしていた。
 
 
「えっと…あの………」
 
つられて骸も赤くなる。
 
ランボは恥ずかしさからか下を向いたまま動かない。
それでも、消え入りそうな声で呟いた。
 
「俺……骸さんになら何されてもいいし…何でもしたいです……っ」
 
「………………」
 
数秒の沈黙の後、骸はランボを力いっぱい抱きしめていた。
 
嬉しくて嬉しくて死にそうだ。
 
 
「ランボ、愛しています」
 
「お…俺もです」
 
骸は一旦ランボから離れると、未だに真っ赤な愛しい彼の顔を両手で包み込む。
そして零れ落ちそうだった彼の涙をすくうように、目元に唇を当てた。
目を見開くランボに微笑み、自分の唇を彼の唇に持っていく。
 
今度こそ、優しくて甘いキスをした。
 
 
 
 
 
 
「ところでランボ、あのお菓子はどうしましょうか?」
 
骸は、部屋の隅に置きっぱなしだったお菓子のカゴを指す。
ランボは明らかに目を輝かせて食べたそうにするが、先程言ってしまった自分の言葉を思い出し、頷けずにいた。
だがそれでもやはりお菓子は大好きで。
 
ランボは骸の顔を伺うように覗き込み、言った。
 
「骸さんが1番好きですけど、お菓子も好きです。それでもいいですか…?」
 
「っっ!!」
 
その上目遣いの可愛さに昇天しそうになりながらも、骸はなんとか堪える。
替わりに、ランボを強く抱きしめた。
 
「当たり前ですよ。僕の愛しい人は、お菓子が大好きなんですから」
 
「骸さん………はいっ!」
 
はにかむように笑うランボを見て、骸は優しく微笑む。
 
 
「ではランボ、今年は覚悟していて下さいね?」
 
「はっ…はい!もっとキス、上手くなりますっ!」
 
「…………まぁ、ゆっくりいきますか」
 
すでに興味がお菓子に向いているランボに、今度は苦笑する骸。
 
今年はきっと、昨年よりもいい年になるに違いない。
 
 
 
互いの気持ちをしっかりと確認でき、新年早々ラブラブな骸とランボなのであった。
 
 
 
 
 
 
→後書き
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