小説(リボーン)連載
□祭〜最強バカップル〜
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「ラッランボッ、骸と祭に行くって本当?!」
ツナは、はしゃぎまわっているランボを捕まえると焦ってそう尋ねた。
「・・・・・・?」
ランボに誰だコイツみたいな顔されてやっと、今自分は女装していたのだと思い出した。
説明めんどくさいからまぁいいやと思い、そのまま話を続ける。
「だからっ、骸と!!何か約束した?」
「?別に。ランボさん最近骸に会ってない」
「え・・・・・・」
じゃあ何で・・・?
実はつい先日、ツナは骸に会ってこう言われたのだ。
「今度の祭、ランボを迎えに行きますので勝手に連れ歩かないで下さいね♪」
そしてクフフフフと、フを何回入れても足りない程あやしく笑いながら行ってしまった。
でもその祭が今日だったなんて・・・。自分もついさっき知ったばかりだというのに。
当の本人は何も知らないらしい。
ってことは・・・約束もなしにいきなりランボを連れて行くつもりなのか・・・。
まぁ骸らしいといえばそうだが。
「ツッ君〜、そろそろ行ったらぁ?」
母である奈々の声が台所から聞こえた。
いや、行こうとは思っているんだが・・・やはりランボが心配だ。
「ランボ、お祭行きたい?」
一応聞いてみる。きっとこの5歳児に決定権はないだろうが。
「お祭〜?」
・・・目がキラキラしてる。
「そう、お祭。今日あるんだよ」
「行く〜!!ランボさんお祭行く〜!!」
手をしゅびっと上げてはしゃぎ出すランボ。嫌がってないならだだをこねることもないだろうし心配ないかと思ったその時―――・・・
「クフフフフ。そうですか、そんなに僕と行きたいですか、ランボv」
「むっ骸―――?!」
いや、ドアから入ってきてないですよね?!だって俺、ずっとドアの前にいたんだから。
しかもランボ、別に骸と行きたいとは言っていない。
「ボンゴレ、約束通りランボを迎えに来ましたよ♪」
「はぁ・・・」
もういいや。こいつに一般常識を求めても無駄だ。
「では失礼します」
「って、はぁ?!」
骸の腕にはしっかりとランボが。先程まではしゃいでいたランボも、いつの間にかもらったらしい飴をおとなしく舐めている。
突然来て去ろうとしている間の時間、約1分。
「一応今日のうちに返してね」
「心配いりませんよ、ボンゴレ。いくら僕でもそこまで非道ではありません。こんな幼い仔牛を遅くまで連れ回したりはしませんよ」
「あぁそうだよねっ、いくら骸でもそこまでは―――・・・」
「美味しい牛になるまでゆ〜っくり待ちますよv」
「??!!」
クフフフと彼特有の怪しげな笑い声を静かに発しながらすでに家を出て行く寸前の骸。もちろんランボを抱えたまま。
「とりあえず・・・信用するよ・・・」
どうせ止めても無駄だろうし。
そしてドアを閉める寸前、思い出したように骸が言った。
「あぁそういえば。その格好似合っていますよボンゴレ。そちらの悪役面のボスにもよろしく・・・・・・しなくてもいいですかね別に」
なら言うなよ・・・とツッコミたかったが、すでに2人の姿はなかった。
「ランボ・・・無事でいろよ・・・」
残されたツナにはそう呟く他なかった。