小説(リボーン)連載
□最愛の君へ
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10月10日まであと3日。
ツナは困っていた。
何を隠そうその日はザンザスの誕生日なのだ。
まさか自分と4日しか違わないなんて・・・。
ともかく、誕生日といえばプレゼント。
だがツナには、中学生が買える金持ち坊ちゃんの欲しがるようなプレゼントが思いつかなかった。
―――ここは彼に頼むしかない。
「・・・・・・で、何で俺なんだぁ?!」
「お願いっ、スクアーロしか頼める人いないんだっ」
こっそりスクアーロを呼び出し、必死に手を合わせてお願いする。
「だって、スクアーロはヴァリア―の中で1番ザンザスといる時間が長いでしょ?」
それに、彼が個性的なヴァリア―隊員の中で1番常識的な人間なのだ。
「う"お"お"お"い!!だからってなぁ・・・・・・あいつ、自分が欲しい物はすぐ自分で買ってたしなぁ・・・・・・」
「だからその欲しがってた物だよっ。例えばどんなの?」
「どんなのって・・・車とか家とか・・・あ、島もあったかぁ」
・・・・・・・・・金持ちって・・・。
「じゃあさ、スクアーロは山本にどんなのもらいたい?」
「え”っ・・・・・・」
そこで紅くなるスクアーロ。
暫く考えて、それから恥ずかしそうに言う。
「俺は・・・武から貰えるんだったら・・・何でも・・・・・・」
「ラブラブだぁ」
「なっ・・・別に・・・・・・」
こんな風に話していると、ザンザスと違ってスクアーロはわかりやすい。
見ていると、山本の天然に振り回されている感じだし。
「ま・・・まぁ、ボスもそうなんじゃねーかぁ?おまえから貰えるんだったらどんなもんでもよろこぶだろーよ」
「そ・・・そうかな・・・」
しかしそれでも、なるべく本人の気に入るような物をあげたい。
「そうだ!!スクアーロ、明日空いてる?」
「明日ぁ?・・・いや、明日は・・・。明後日なら空いてるが・・・」
「じゃあ明後日!!ちょっと付き合ってくんない?!」
「あぁ、別に構わねーが・・・」
「やっぱり大人の男の人が好きそうな物ってわからないから、スクアーロに買い物付き合ってほしいんだ」
「なるほど。そーゆー事ならお安い御用だぁ」
ザンザスの機嫌がいいと、自分への被害・・・というか八つ当たりも極端に少なくなる。
ツナの為でもあるが、これは自分の為でもあった。
「でも、ザンザスには内緒にしてね?ビックリさせたいんだ」
「・・・あ"ぁ"、わかった」
・・・・・・出来るだろうか。
「ごめんねスクアーロ。せっかくの休み、山本と過ごしたいだろうけど・・・」
「な”っ・・・べっ別にんなこたぁねーぞぉ!!」
優しいスクアーロに感謝である。
こうして、2人は一緒に出掛ける事になった。