小説(リボーン)連載
□祭〜恋人判断基準〜
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「・・・・・・凄い・・・」
結局あの女装のまま並中まで来てしまった。
途中かなり周りからジロジロ見られて、もしかして男だってバレてんじゃないのかとかなりドギマギしていたが、どうやら違ったらしい。
だってナンパされたし。
生まれて初めてだよナンパなんかされたの。当たり前だけど。
もちろん丁重にお断りしたけど、何だろう、祭に行くって言っちゃったのがまずかったのかな、「じゃあ並中まで送ってってあげるよ」とか言ってついてくるし。
しかもそいつの後ろから数人がぞろぞろと続いている。ちなみに全員男。
アイドルの追っかけじゃないんだから・・・。
とにかくも並中に着いた俺は、あまりの盛り上がりに思わず立ち止まってしまった。
校庭に置かれた様々な屋台。ど真ん中には立派な御神輿が。
何コレ、校舎内も使ってる・・・。
文化祭を派手にした感じだった。
そして人の数。多すぎ。場所が並中ってこともあるせいか学生が多い。
でも浴衣を着ている人は結構いる。これなら目立たずにすむだろう。
後はこの人だかりだけ。
「あの・・・案内ありがとうございました。もうここまでで結構です」
そう言って足早にその場を去ろうとしたが、逆に囲まれてしまう。
そして「中も案内してあげるよ〜」だの「ここからは僕と回らない?」とか「1人じゃ危険だよ」とか言ってくる。
今まさに貴方がたのせいで危険なんですけど俺!!
と、困っていると丁度前方に見知った顔が。
「獄寺君っ、山本っ!!」
呼ばれた当の本人達は振り返るが、首を傾げるばかり。
どうやらこちらに気づいてない。
そういえば俺今女装中・・・。
でもこの際そんなのは構っていられない。囲ってる奴らは何かだんだん迫ってきてるし。
「ここっ!!2人共!!助けて!!」
懸命に手を上げて飛び跳ねる。着崩れしたって構うもんか。
俺だとわかっているのかいないのか知らないが、とにかく困っているというのは伝わったらしく、喧嘩にならない程度に山本が男どもを追い返してくれた。
「―――で、おまえ一体誰だ?何で俺達の名前を知ってる?」
獄寺君にそう言われてやっとわかる。
あぁ、気づいてないんだ・・・。
「そうだよな〜。一瞬ツナに呼ばれた気がしたんだけど・・・」
意外に鋭い山本。
でも何か今更俺だって明かすのも照れくさいっていうか恥ずかしいっていうか・・・。
「おい!!誰なんだって聞―てんだよ」
ギロッと睨まれて思わずひぃっと声が漏れてしまう。
俺、今女の子だと思われてんだよね?なのに何でこんなに怖い顔で睨まれてんの〜?!
獄寺君にこんな目で見られるのは初対面の時以来だ。それからは慕ってくれてたから睨まれる事なんてなかった。
てかホント怖すぎだから!!これじゃ話したくても声出ないから!!