小説(リボーン)連載
□祭〜恋人判断基準〜
4ページ/5ページ
結局、祭はザンザスと回ることになった。
さすがはヴァリア―、射的でも金魚すくいでもクジでも、余すところなくヴァリア―クオリティ―を発揮した。
あれからは変なナンパ野郎も現れなかった。というかザンザスがいるせいか、歩くとその半径1メートル以内に人がよらなかった。
ある意味ヴァリア―クオリティー。
いつの間にか校庭の方はほとんど回ってしまった。
「はぁ〜・・・。祭って楽しいもんだね〜。浴衣のせいでちょっと歩きにくいけど」
「・・・疲れたなら帰るか?」
あれ?珍しく優しいザンザス。
「大丈夫だよ。それよりザンザスも浴衣着れば良かったのに。・・・俺も普通のが着たかったな・・・」
「たぶん今着てる方が似合うと思うぞ」
「嬉しくないよ!!」
それにしても、かなり歩いたせいかまた着崩れしてる。
まぁ、あまり気にしないが。
「・・・やっぱり帰る」
突然、そう言われた。
「え?何で?もう疲れた?」
いや、彼に限ってそんな事もないとは思うが。
「この前、日本の時代劇を見た」
「ふ・・・ふ〜ん?」
いきなり何でそんな話?
「そこで、今おまえが着てるようなやつを着た女がいた」
「たぶん着物だけどねそれ。あんまり変わらないかぁ」
「だからそーゆー事だ」
「は?」
今の話から全く言いたい事がわからないんですけど?!
「何だっけなアレ。その腰の帯を立ったままほどいてくやつ」
「っ??!!!まさか・・・・・・」
アレですか?!よくお代官様とかが遊女とかにやってる「あ〜れ〜っ」とかってやつ?!
「まさかさっきから早く帰りたがってるのって・・・」
「まぁたまにはいいじゃねーか」
「よくない!!俺、この後の花火も見たいしっ!!」
「んなもんは家からでも見える」
「ここでっ、みんなと一緒に見たいの!!・・・もちろんザンザスとも・・・」
「綱吉・・・!!」
ちょっと、そんな嬉しそうな顔しないでくれる?こっちまで照れるんですけど・・・。
「よし、じゃあお楽しみは花火の後だな」
「・・・・・・へ?」
結局ヤるの〜〜〜??!!
何か別の話題にしたかったので、さっきの事を聞いてみる。
「そっそういえば、何で俺だってわかったの?みんな気づかなかったのに・・・」
「さっきも言ったろ。恋人なら超直感なんて使うまでもなくわかんだよ」
「どうやって」
「愛の力で」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
えっ、何ちょっ・・・真面目なの?今の真面目に言ったの?!
「ってのはホントで・・・」
「ホントなんだ!!」
「可愛いと思ったからだ」
「・・・へ?」
そういえば、可愛いとかこの格好で会ってから初めて言われた。
可愛い子なら他にもいくらでもいるではないか。
「俺が今までで可愛いとか愛しいとか思ったのはおまえだけだ。ならそう思えるやつがおまえだろ。簡単な話だ」
・・・・・・簡単とか言ってくれちゃってるけど、これってある意味ストレートに告白されるより照れるんですけど―――っ!!
そう思いながらも自分も、かっこいいと思う人は沢山いても愛しいと思えるのは彼だけだろうと考えるツナだった。
→後書き