短編小説置き場(その他)

□1番会いたい人
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ある晴れた日。
麦わら海賊団は、船の上でのんびりと航海を満喫していた。
 
だがそこに、いつも元気なはずのルフィが「はぁ……」とため息をついた。
 
 
「あら?珍しく元気がないわね、ルフィ」
 
ロビンが読書を中断して顔を上げる。
ナミも気付いた。
 
「何よルフィ、変なモンでも食べた?」
 
それほどに、ルフィはいつも騒がしいのだ。
 
「……いや、なんか今日は力が入らなくってよ…」
 
「はぁ?アンタが?」
 
ルフィはぐだぐだと転がったり座ったりを繰り返す。
 
「もしかして……」
 
ロビンが能力を使い、ルフィから手を生やしてそのおでこに触った。
 
「やっぱり…」
 
「ロビン、何がやっぱりなの?」
 
ナミの問いに、信じられないというような顔でロビンは言った。
 
 
「ルフィは……風邪をひいているわ」
 
 
 
 
 
 
 
 
「「「え―――っ!!??」」」
 
治療室。
そこにサンジ、ウソップ、ブルックの声が響いた。
ゾロもフランキーも目を見開いてかなり驚いている。
 
「静かにっ、今ルフィが眠ったところだからっ」
 
チョッパーが小声で叫ぶ。
ベットには、おでこに濡れたタオルを乗せて顔を赤らめているルフィが眠っていた。
 
「ほぇ〜……ルフィさんでも風邪をひかれるんですね〜…。あぁ、なんだか私も熱くなって……って私、体温ないんですけどー!」
 
ブルックが「ヨホホホホ」と笑い、またチョッパーに注意されてようやく静かになった。
 
 
 
一同は治療室を出る。
チョッパーの話では、ただの風邪だが熱が高く、安心は出来ないとの事だった。
 
「……バカは風邪ひかないって、あれホントにただの迷信だったのね〜…」
 
ナミが呟き、皆が頷く。
 
 
そして原因は何だろう、という話になった。
 
「最近は平和だったわよね?」
 
「確かになぁ〜……あ、でも待てよ」
 
ウソップが何かに思いあたる。
 
「何よウソップ」
 
「そういえば昨日……」
 
「昨日?」
 
「ここで水かけあって遊んでて……ルフィ、そのまま昼寝してた気が……」
 
昨日は確か冷たい風が吹いていたはず。
 
「アンタ達……何であんな寒い中そんな事してたのよ……」
 
「ちょっと楽しくなって……な、チョッパー」
 
「うっ……」
 
振られたチョッパーは気まずそうに頷く。
船医なのに船長に風邪をひかせてしまった事に負い目を感じているのだろう。
 
 
「はーいはい、原因がわかったらあとはルフィの回復を待つしかないわ。こんな時に戦闘になったら大変」
 
ナミが手を叩き、その場を解散させた。
 
 
 
 
 
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