宿星三國史
□war.3 -初戦-
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黄土の大地
砂塵で黄に染まった昊
緑すら見当たらない戦場
其処へ移動する軍勢の内、一際大きい乗り物の中。翔のテンションは最早どん底中のどん底、今の今までずっとキープ状態だった。何故なら。
「(戦なんて無理だ!寧ろ戦闘自体出来ねぇって…!!)」
兵士達に期待される程の能力なんか持ってないし、あるのかさえ判らない。
「(しかも俺…ついさっきまで何も知らない一般人だったんだぞ?連れて来る必要なんて無いってのに……)」
それでも無情に、軍勢は本陣へ向かって行く。
初戦の刻が、間もなく訪れる。