短編集
□僕はここに・・・。*
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ねぇ・・・。君は誰を見ているのですか?
僕はこんなにも君のことを愛しているのに、君の笑顔が僕に向けられることはない。
綱吉君・・・綱吉君・・・綱吉!!
愛してる、愛してる。
僕はここに居ますよ?
君の心はどこにあるのですか・・・?
―・−・−・−・−・−・−・−・−・−・―・−・−・−・−・−・−−・−・−
「綱吉・・・・」
ふと顔をあげると、君がこちらに向かって走ってくる。
「おーい!!!!骸ー??」
君の笑顔は僕には眩しすぎる。
想っても報われないのなら、いっそのこと君のことなど忘れてしまった方が良いと、何度思ったことでしょうか。
それでも忘れられない。この想いがいつか君に伝わると信じているから。
「あれ?クローム?」
僕は意識をクロームに預けた。
「ボス・・・。」
「変だなー。骸に見えちゃったよ。あはは・・・・?クローム?」
「ボス・・・私、ボスに言わなきゃ。」
「何を・・・?」
君が笑顔で問いかけてくる。僕にではなく、クロームに向けられた笑顔。見るだけで辛い。こんな気持ちはもうたくさんだ。
(気持ちを伝えて壊れるなら、本望ですね、クローム。)
僕はクロームにだけ問いかけた。
(骸様・・・良いの?)
(良いんですよクローム。さぁ、変わってください。)
(骸様・・・・。)
「綱吉君・・・・。」
次に僕が目を開けた瞬間。目の前には綱吉君がいた。
「あれ?骸・・・?クロームは?俺に話しあったみたいだけど・・・良いのかな?」
「良いんですよ。その話なら僕がしますから。」
僕が決心して口を開いた瞬間、クロームが問いかけてくる。
(骸様、本当に良いの?)
「くどいですよクローム。僕はもう決めたんです。」
「え?何?」
「いえ。綱吉君。僕は君が好きです。」
言い終わった後、僕は後悔に押しつぶされそうになった。「拒絶」という2文字だけがくっきりと浮かび上がってくる・・・。
「は!?何言ってんだよ、骸。お前が俺を好きさなんて。変な冗談はやめてくれよ。」
予想通りの反応に、僕は思わず苦笑した。冗談だと思われている。
(相手にされないというのは、拒絶されるより辛いものなんですね。クローム。)
(骸・・・様。)
左目から涙が溢れてきた。僕のものなのか、クロームのものなのかは分からない。
「骸!?どうしたんだよ!?」
君が心配そうにハンカチを取りだし、僕に差し出した。・・・が僕はそれを無視した。
「綱吉君が好きなんです。綱吉君は僕が嫌いですか?」
「いや・・・・」
「僕を好きになってくれませんか?」
すると君は困った顔。でも帰ってきたのは予想外の言葉。
「俺も・・・骸のこと好きだよ?///」
恥ずかしそうに笑う君。君には笑顔が良く似合う。
「ほんと・・・に?」
「こんなときに嘘なんて言わないよ!もう・・・///泣くなよ。」
「綱吉君綱吉君!!!!好きです好きです!!!愛してます。うぅ・・・。」
「分かったから、泣くなって。」
僕はようやく泣きやんだ。これが夢だったらどうしようと、本気で思った。
「綱吉君・・・僕の頬をつねってください。」
「は!?なんでだよ。」
「いいから!思いっきりお願いします!」
ぎゅー!!!!!!!!!!!
「痛ッ!!痛いですよ〜綱吉君〜・・・。」
「お前が思いっきりって言ったんだろ!」
もう・・・なんなんだよ。と君は呆れたように笑う。
「良かった・・・夢じゃ、ないんですね?」
「当たり前だろ!?」
顔をあげた瞬間、綱吉君の顔が目の前にあって、そのまま唇と唇が重なった。次に目に映ったのは、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに俯く綱吉君の姿。
「自分からしておいて、何恥ずかしそうにしてるんですか?」
「うるさいなー。じゃー骸からしてよ。」
「!!!!!綱吉君!!!!!」
「く・・・・くるしいってば骸〜…」
ちゅっ
「綱吉君・・・愛してますよ。」
「うん、俺も。」
END...
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