Long novel
□僕と君と温もりとT
3ページ/3ページ
そしてもっと接吻を深くしようとしたその時。
「ふっ・・・ん・・痛ッ・・・!!」
急に唇に痛みが走る。
その痛みに思わず僕は唇を離した。
唇にそっと触れて、その手をみればそこには紅い血がついていた。
「ッ・・・何するんだよ。」
「それはこっちのセリフだ。テメェなんぞにこんなことされる筋合いはねェ。・・・帰る。」
そう言ってノイトラは僕の宮を出て行った。
ああ、本当に忘れてしまったのか?
僕の事を。
゛ノイトラ―――゛
引き止めようと名を呼ぼうとしたけれど、唇が痛んで声にならなかった・・・
昨日まで近くにいたのに。
昨日まで僕を愛してくれていた筈なのに。
今はもう頭の中さえいないなんて。
僕はしばらくその場で、何も考えられずただポツポツと唇から滴る血を眺めていた――――
To be・・・・・