Short novel

□静寂の真夜中
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「おいザエルアポロ、入るぜェ。」
「なんだい、ノックも無しに。まぁ君がこんな時間にたずねてくる理由なんて一つくらいしかないけどね。」

いつも空には月があり、空は暗闇に包まれている虚園だが、夜はやってくる。

静寂の真夜中。
いつも自分の宮にこもりきっているザエルアポロの所に、皆が寝静まっているにもかかわらずノイトラがたずねて来る。


「わかってんじゃねェか。」
「フフッ・・・・まったく、いつもいつも・・・・どれだけ君は僕の邪魔をすれば気が済むんだい?」

そう言いながらもザエルアポロは手袋を脱ぎ捨て、ノイトラの頬に触れる。

「そう言うテメェも相変わらずじゃねぇか。」

「こうでもしないと、君の気がすまないだろう?」

ノイトラは自分の頬に触れた手をおおうように手をかぶせ、そのままギュッと握りこんだ。

「気がすまねぇのはテメェのほうじゃねェのか?」

握った手をグイッと引っ張り、ザエルアポロを体ごと引き寄せる。
そのまま、ザエルアポロの唇に自分の唇を押しつけた。
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