雅弥

□湯煙の先のドッキリ事件
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晴れていた天気が急に崩れ始めた夕方…。


急激に降り出した雨によって、


この日、西園寺家では小さな事件が起きたのだった…。









《お風呂場でドッキリ事件》












「だぁぁぁぁ!!!ついてねぇー…っ!!!」


自転車を漕ぎ出した途端これかよっ!!!



最初は気にならない程度の降り方だったのも、途中から次第に勢いを増して、
今では視界がはっきりしない強さになってきてる。


あんだけ動き回って熱くなった体も、どんどんその熱が奪われる。


こりゃー、早えとこ風呂にでも入らないと筋肉変に固まるぞ…。


そう思った俺は、部活で走り回って重くなった足を奮い立たせるように家までラストスパートをかけた。



……途中車に跳ねられそうになったけどな…。












「ただいまー!」


走って中に駆け込むと、ナイスタイミングとばかりに要がバスタオルを手渡してくれる。


「あの…雅弥さま…。」


なんでか申し訳なさそうに言う要をよそに、俺は鞄だけ手渡すと風呂場に足を向ける。


制服もベッタリ体に纏わりついて、寒ぃ寒ぃ…!!!


後ろから要が慌てて何か言ってたけど、


「あー…、後でな!今は早えとこ風呂入らせてくれ、真面目に風邪引いちまう。」


濡れた髪と耳に入った水のせいで言葉がほとんど入ってこなかった俺は、後ろ手だけ振ってそのまま風呂場に直行した。



その夜に、要が言ってたことに耳を傾けてれば良かったと、心底後悔するとも知らずに…。












「風呂で温まったら、もっかい念入りにストレッチだな、こりゃ…。」


濡れたため、色の深くなった制服を乱暴に脱ぎ捨てて
ガラッ!と勢いよく扉を開けたその先に………。






**がいた。






なんつーか、普通にマッパで………。






………………。








想像してなかった事態に、お互いの時間が一瞬止まったその先で…、












「にぎあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」













地を割くような**の絶叫と共に、シャンプーのボトルが俺の頭に命中したんだった…。
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