御堂要
□とある休日
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今日は久しぶりに要さんが家にいた。
最近お仕事が忙しいみたいだったから
こうやって2人で家にいるのは久しぶり。
2人でお昼ご飯を食べれば、向かいにはリラックスしてる要さんがいて、
そんな姿を見てられるだけで、なんか嬉しい。
疲れてるだろうから、休みの日くらいゆっくりさせてあげたいな。
洗い物を終えて、お布団を取り込んむと、
要さんはリビングのソファーにもたれて、本を読んでいた。
柔らかい木漏れ日と、心地よい風に要さんの髪の毛が揺れる。
「本読むのに髪の毛邪魔じゃない?縛ろうか〜??」
そう言うと、本に落としていた目線を私に向けて、優しく微笑んでくれる。
「ありがとう。」
私は要さんの後ろに回って、彼の髪の毛をすくっていく。
「要さん、髪の毛長いよね。私より長いかも。」
「**は 伸ばさないんですか??」
「ん〜、ちょっと憧れるんだけど、やっぱりショートに落ち着くみたい。」
「…でも、一度 **のロングヘア姿も見てみたいですね。」
「……じゃあ、伸ばしてみよう、かな…///」
「楽しみにしてます。」
そう言って要さんはちょっと、ほんの少しだけ、嬉しそうに笑ってくれた。
サイドの髪の毛を後ろでまとめて…
をぉ!? なんかちょっと似合うんでない??
「よし、出来たっ!じゃ、そろそろ買い物行ってこようかな☆」
そう言って立ち上がる私に、
「たまには外に食べに行きませんか??」
と声をかけてくれた。
「いいの??」
要さんは見かけの本をパタリと閉じて、
「えぇ。休日くらいゆっくりしてください。それに…。」
「それに…??」
「夜は休ませてあげられそうにないので、それまで体力を保存しておいてくださいね??」
綺麗な顔で、優しくそんなことを言われると、
なんだか顔を見てることが出来なくなって、
「……お手柔らかにお願いします///」
と目を逸らしてから言って、彼の顔をちらりと見ると、
今度こそ嬉そうに微笑んでいた。
「ん〜!やっぱり外は気持ちー!」
まだ外は明るくて、
秋の空気が漂っていた。
「そういえば、ふたりで出掛けるのは久しぶりですね。」
「あ、そうかも。最近要さん大変そうだったから。」
「…なかなか一緒にいる時間がとれなくて、すみません…。」
「お仕事だもん。それは仕方ないよ!それに、そんな風に想ってくれるだけで幸
せっ!」
「…ありがとう。」
「こちらこそ。」
「** …、手を繋ぎませんか??」
不意に要さんがそんなことを言って、
どちらからとも無く指が絡まる。
繋いだ手を見て、それから彼の顔を見る。
きっと、私も今、そんな表情してるんだろうな…。
「…幸せですね。」
「幸せですね♪」
いつまでも、ずっとこうやって一緒に生きていきたいな。
あなたと、どこまでも…。
【fin.】
08'09.11 KAHIME.