松田 隆実:第1章
□相方への相談事
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「慎……」
「なんや?どないした?」
隆やんが朝から珍しく楽屋で潰れとる…。
机に覆い被さるよぉにしてたかと思うとると、片手で頭抱えつつ顔をあげよる。
…なんや…、顔真っ赤やんか!
「隆やん熱でもあるんと違うかっ?!」
思わず心配になって顔覗き込んだら、や…、大丈夫や…。と片手で制された。
その制する手も、なんやノロノロしとって大丈夫には見えんのやけど…。
しばらくそのまんまで待っとると、隆やんは突拍子もないことを言いよった。
《相方への相談事》
「なぁ……未成年の女の子に…手ぇ出したら………やっぱアカンよな…??」
は………っ??
なんやてっ??
「ちょ、ちょっと待ってや……??な…なんの相談やねん…??」
思わず眩暈を起こしそうなって、額を押えた。
いや…、落ち着けや俺…。
「いや…、せやから…、せめてキスまでやんな…??」
………あ、なんや…。
「**ちゃんかいな…。」
ビビったでぇ〜…っ!
急に相方から犯罪予告されるやなんて、思いもよらへんしな…!
「……一般的にはアカンのとちゃう??せやかて、**ちゃんと隆やんは付きおうとるやん。
無理矢理やないんやったら、ええんやないか…??」
…て、高校生やあるまいし、なに俺こんな話題に真面目に答えとるんやろ…。
そう思おとると、
「あ゛〜〜〜…/// アカンアカンアカンアカン〜…っ////」
と言うて、隆やんがいきなり頭をかきむしった。
な、なんや…??!!
「お互い思うとるなら、大丈夫やろ…??」
こんな隆やん初めて見るわ〜…。
隆やんはしばらく撃沈しとったけど、顔を真っ赤上げて喋りだした。
おぉ…。
まさに茹でタコやな…。
「アホ!慎はあないな**ちゃん見てへんで、そないな事言えるんやっ///
昨日も送てった後、去り際にホッペにキス残して走り去るような子やで??
今日もスタジオの前で会うたら、おはようございます…て、赤うなった顔をマフラーで隠すよぉな子に、
これ以上自分押さえとる自信なんてあらへんっ!!!優しくなんて、出来へんで…っ////
…って、何言わすんじゃっ!」
「知らんがなっ/// 隆やんが勝手に話し始めたんやろっ??」
ったく、こっちまで赤面移るっちゅーねん…っ!
その後も、
あ〜〜もぉ〜〜…どないしよ〜〜……。言うて、また机につっぷす隆やん。
ん〜〜、**ちゃん恐るべしやな〜…。
「……まぁ、ほんならしばらくはキスまでにしとき…??」
「……慎もそぉ思おか…??」
「て言うよりも、なんや……。」
言いかけると、隆やんはそのまま顔だけこっちに向けた。
「今の隆やんを見とると、キスから少しでも先行ったら、何しでかすか分からへんわ…。」
「………。」
とりあえず、良心的なアドバイスやからな??
でもまぁ、こないな隆やん見とると**ちゃんが二十歳になるまでの数ヵ月、隆やんにしたら我慢の月になるんやろな…。
ご愁傷さまやな…。
心の中でこっそりそう思おて、隆やんにはバレんよう俺は手を合わせた。
【fin.】
08'11.25 KAHIME.