松田 隆実:第1章

□大好きな人たちと
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「なぁ……。なんで慎がここにおんねん…。」


「そら、同じコンビ組んでるんやから、隆やん休みなら俺も休みに決っとるやん〜♪」


「……自分、今日はピンの仕事ある言うとらんかったか…??」



**ちゃんが京都に行きたい言うて、
クリスマス前の最後のオフに、俺は**ちゃんと京都に戻ったんやった。










《大好きな人たちと》











クリスマスが近くなるこの時期。


外は寒うて、よぉ遠出をするような季節でもないんやけど、
考えてみたら俺らは2人で遠出をしたことがあらへんかった。



せやかて、年末年始になればバラエティは特番がようさん組まれるようになって、
とても遠くへ行く時間は取れへん…。



だったら、せめてその前に一緒にどこか連れったげたい思て
**ちゃんに行きたいとこを聞いてみた。




慎にはオフの予定聞かれたときに、京都戻るわ言うて、
慎も格別そこから先聞いてこんかったで、話はそれで終った思うてたんやけど…。


昼過ぎにこっちに着いて、そのまま一番近くの名所に足を運んだら
慎がさも当然のよぉにそこにおった。





「あぁ、隆やん、よー覚えとるなぁ〜…!
ピンの仕事やったら予定変更してもろて昨日済ませてきたわ〜♪なんや、雑誌の取材やったしな。」


「………もう1回聞くで??
なんでお前がここにおんねん…?」


「隆やんと**ちゃんと一緒に故郷で思い出作りたかったからに決まっとるやん〜♪」


「なら初めっからそない言えやっ!」



**ちゃんに、寒うない??とニコニコ聞いとる慎を置いて、俺は1人前を歩く。


**ちゃんは慎に、よくここって分かりましたね〜…。と感心したように言うとった。





俺らが来たのは、地元の間ではよう知られとるけど、観光客はあまり足を運ぶ場所やなかった。


建造物の所有者が、歴史の教科書には載っとらんのやけど、
歴史は同じくらい長いってやつやな。


さすがに**ちゃんを人の多い場所には、よぉ連れだせん。


男の俺と違ぉて、女の子はいろいろ噂されたら大変やしな…。



そないな事もあって、俺は地元の人間が知っとるくらいの場所に連れてきたんやった。


まぁ…、慎がここや分かったのも頷けるわな…。
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