裕次お兄ちゃんのコレクションシリーズ
□雅季くん編
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「雅季くんのは…、さすがにないか…。」
「それがあるんだな〜♪」
「をぉっ!」
〜雅季くん編〜
「…って、寝てる時に撮ったの??これ…。」
「もちろん。
雅季は幼少期でもやけに冷静で雅弥のようにはいかなかったから、
こうでもしなきゃあ、まず不可能だね!」
「みんなと比べて、かなり今の面影があるけど、これいつの写真??」
「中学上がってすぐじゃなかったかな〜☆」
「あぁ、若いもんね。」
「だからまだ若いって〜☆」
「でもまぁ、雅弥くんと違って、寝ているときに撮ったなら無害か。」
「いや、反応見たくてわざとそのままにした。」
「うわ…。なんて命知らずな…。」
「お兄ちゃんの予想では、起きた雅季がすぐ気付いて
“兄さん、何やってるの??”って穏やかに笑ってくれるはずだったんだもん!」
「いやあの…。………で??」
「………いま思い出しても身震いする…。」
「………だいたい想像付くような気がするけど…、そんなに………??」
「雅季が部屋で気付けたなら、そうでもなかったんだろうけど…。
寝起きで頭働かなかったみたいで、家中そのまま歩いてて、その間、家族・使用人に晒しまくり。
寝起きの雅季には誰も話しかけないからね…。」
「それは…、なんともご愁傷さまで…。」
「その後、雅季が気付いてからが、…まぁもぉ。」
「……もぉ…??」
「ドス黒いオーラ纏って、地を這いずるような低い声で、
“……裕次兄さん、聞きたいことがあるんだけど…。”」
「こわっ!!!」
「なんかあれ、魔界から呼び寄せたオーラみたいだった…。」
「しかも付けてるヘアゴム、スマイリーだしなぁ〜…。」
「………ちょっと、小馬鹿にされた気分だったかなぁ〜…??」
「中1男にスマイリーは…。」
「クールな子だし、……いたいよね??」
「いたいでしょうよ…。」
なんだか、ずっと見てるのが怖くなって、
2人とも無言でアルバムを閉じたのでした…。
【続く】
08'09.17 KAHIME.