裕次お兄ちゃんのコレクションシリーズ
□雅弥くん編
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「あ、これ雅弥。」
「はぅわぁっ////」
「はう……なに…??」
「あ、いえ、お構いなく////」
〜雅弥くん編〜
――― ある日の西園寺家
「雅弥〜♪こんなの見つけちゃった!可愛いだろ??」
「……??
裕にいちゃん、かみの毛むすぶのは、女の子だけだぞ??」
「と、思うだろ??
でも実は、一流のサッカー選手はみんな雅弥くらいの時、こうやって可愛いヘアゴムで髪の毛縛って練習してたんだよ☆」
「ほ、ほんとか??」
「ホントホント!目立つ格好するのは一種のパフォーマンスだね♪」
「ぱほー…??」
「パフォーマンス☆ ほら、サッカーの選手がゴール決めたとき、走りながらお客さんにポーズしてるでしょ??
あーゆーのをパフォーマンスって言うんだよ。」
「そ、そうか☆」
「スターになりたかったら、つけてみる??」
「つけるっ!!!」
「はい、じゃあお星様〜☆ スターはお星様って意味でもあるんだよ♪」
「しゅげーなっ!
裕にいちゃんはなんでもしってるんだなっ////」
「………。はい、じゃあ動かないで〜♪」
「あ、裕にいちゃん!こっちのサッカーボールも!いっしょにつけてくれ!」
「りょ〜かーいっ♪」
「…雅弥??何ですか、その星とボールは…??」
「かっこいーだろ! ぱほーまんすだっ☆」
「…はい??」
「ぱほーまんす!修にいちゃん しらないのか??」
「いえ、パフォーマンスは分かりますが…。
雅弥、それ意味分かってて遣ってます??」
「しってるぞ!
ぱほーまんすは、…すたーがして、すたーは…、ほしだ!」
「…………確かにそれは間違ってはいませんが…。」
「だろ??
じゃあ、サッカーのれんしゅーしてくるー☆」
――――――――――――
「そうやって、練習前は毎日俺のこと探しに来て、“髪の毛結んでくれ、結んでくれ”って…。
可愛かったな〜…☆」
「なんとピュアな……。
でもそれ、間違いに気付いたとき、すごかったんじゃない…??」
「うん。チームメイトに、“いや、それおかしいだろ…。”って気付かされたみたいで
怒涛のように帰ってきた…。」
「……。」
「俺を見るなり、ほっぺた真っ赤にして目に涙溜めて、
“うそだったじゃないかー!バカあにきーっっっ!!!”って…。
初めてバカ兄貴呼ばわりされた上に、1週間くらい口聞いてもらえなかったな〜。」
「いや、お兄ちゃん…。それ、自業自得だから…。」
そして私は遠い日の雅弥くんに思うのだった…。
修一お兄ちゃんが怪しんだ時点で、
素直にそっちを信じるべきだったね、と…。
【続く】
08'09.15 KAHIME.