裕次お兄ちゃんのコレクションシリーズ
□番外編
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「そういえば、修一お兄ちゃんずっとその髪型だった〜??」
「ええ、基本短かったですよ??」
「そっか〜☆
雅弥くんも??」
「まぁ、大体こんな感じだったか…??」
「そっか♪」
「急にどうしたんですか?」
「え??いやいやいや…☆ただ単に気になって。」
「髪型がか??」
「えー…、うん。
だって、結ばなくなってから、サッカーするのに邪魔じゃない??」
「は…っ??なんでお前が結んでたこと知ってんだ??」
「え……??あ、ヤバ…っ!!!」
「お前……、なんかいらねぇ事聞いただろっ!!??」
「や、えー…、あー…、うー……。
…え、何のこと??」
「さっき思いっきり“あ、ヤバ”っつったぞ!!!」
「白を切るには遅すぎましたね…。
まぁ、**さんの嘘をつけない性格は好きですが…。」
「ぉぅぃぇ。」
昼食を食べた後のゆったりした時間。
ひょんなことから、裕次お兄ちゃんのコレクションの存在はバレてしまったのでした…。
〜番外編〜
「あんのバカ兄貴〜〜〜っ!!!
しかも自分が主犯の話を堂々と暴露かよっ!!!」
「や、ほら、なんてゆうのか………、若気の至り??」
「仕掛けたときは若くても、今もう二十歳だろっ!!??」
「む……。確かに…。」
「まぁそのくらいなら良いじゃないですか。
別に4歳のころの「うあ――――――――っっっ///////」」
「………な、なに今の…??」
「ななんでもねぇっ!!」
「………そんな顔真っ赤にして そっぽ向いて??」
「何でもねぇったら何でもねぇっ/////」
「ふー…ん…??」
そんな私たちを見て、修一おにいちゃんは笑って聞いた。
「他にも、どんな写真を見せてもらったんですか??」
「えっとねー……。
瞬君が小さい頃に、うさぎの縫いぐるみ引き摺ってるのとー、
御堂さんの生徒会の学ラン応援姿と〜、
雅季くんが寝てるときスマイリーつけられたやつ??」
「おっ!それ残ってんのか、見てぇな!」
「や!エピソード聞くと怖くて、見れたもんじゃないっす!!」
「ぉ、ぉう??そ、そうか…??」
「ということは、裕次の写真は見てない訳ですね??」
「えっ??あるの??」
「もちろん。」
そう言って修一おにいちゃんは、にっこりと笑った。
「あ、この辺がそうですね。」
「え??あ、文化祭??
うわぁ〜…☆ 綺麗な人だね〜…☆ていうか日本人…??」
「裕兄だよ、それ。」
「は………??」
「いや、だから、女装してる裕兄だって、それ。」
「………、
ほんげぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「ほんげぇて……。
世界中の令嬢探しても、んなリアクションするやつはいねーぞ。
ちなみに一般女子としても、何か失ってる…。」
「どうやったって驚くでしょーっ!!!
なんでなんで??お兄ちゃんこっちの趣味があるとか!?」
「勘弁してくれっ!!!」
「まぁまぁ2人とも。
これは大学祭のミス・コンテストです。」
「はぁ……、ミスコン…。」
「西園寺学院のコンテストは、いろんな財界の令嬢が出るのでレベルが高いと言われていて
優勝した先輩方の中には、パリコレの専属モデルとしてデビューされた方もいたんです。」
「へぇ〜…、さすが。」
「ですがこの年は、財界の中でも同じ業種に着手している財閥が2つ重なってしまって…。」
「はぁ…。」
「優勝候補のどちらの令嬢を勝たせても角が立つ、ということで、急遽緩和剤として裕次が入ったんです。」
「あ〜、納得…。」
「サクラとして、票数を裏で細工する予定だったそうなんですが、
結局細工をせずとも俄然票数が集まって…、
結果優勝したというわけです。」
「優勝!!??それって凄くないっ??」
「まぁ、ステージ度胸もあったしな。」
「とか言っちゃって〜♪
綺麗なお兄ちゃんがいて、ちょっと自慢したい気分でしょう〜??」
「ばっ!!!んなわけあるかっ!!!
お前は見てなかったからいいだろうけどな!
自分の兄貴が部屋で衝け睫と真剣に格闘してる姿を見た時の気持ちが分かるか!!??」
「ちゅ、ちゅけまつげ…??」
「おまけに口も赤く塗って、鏡に向かって“んぱっ”ってやってる兄弟の姿。
…俺ら全員、どんな心境で呆然としてたと思う??」
「確かに…。あれは思い出したくないですね…。」
それから、あまり多くを語らなくなった2人を見て、
この写真も西園寺家のお蔵入りとなるんだろうな、と思ったのでした。
【おしまい】
08'09.21 KAHIME.