帰省シリーズ

□番外編
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「ねー、裕次お兄ちゃん…。

雅弥くんには悪いとは思いつつ…☆
こないだの“雅弥の中学生の時の話”って、なーにっ??」


「よくぞ聞いてくれましたっ!
 お兄ちゃんが話してあげようっ♪」


「うわーッ//////
 やめろっつてんだろーッ//////」


「ふーんだ!
 雅弥なんか、俺達の可愛い・可愛い〜**ちゃん独り占めしたくせにっ!」


「それとこれとは関係ねーだろっ!

 そそそれに、あれだ…///
 お、俺と**は、…そ、相乗効果だ…。」



「それ、絶対“相思相愛”の間違いだと思う。」


「雅季…、お前いちいち…。」



「それじゃー、中学生雅弥くんの始まり始まりーっ♪」


「だぁーっ!!!!始めんなーっ//////」











〜番外編〜












「ある日〜、学校からお腹を空かせて帰ってきた雅弥くんは〜、何か食べるものを探していました〜♪
 
…あっ!!!雅弥がお腹空かせてそうな顔してたら、同じ部屋にいたらダメだからね!**ちゃんっ!!!」


「……え??だってお腹すいてるんでしょう…??
 なんか食べさせてあげなきゃ…」


「だぁー!!!もうっ!絶対だめっ!
 その時はすぐにお兄ちゃんを呼びなさいっ!」


「…コックさんでなくて…??」


「はぁ〜…☆
 **ちゃん…、お兄ちゃん嬉しい…☆」


「は…??腹減りゃー、普通キッチンだろ…??」


「雅弥…。お前が子供で、お兄ちゃん嬉しい…っ☆」


「……なんかよく分からねーけど、小馬鹿にされてることはわかってんぞ…。」


「んっふっふー…!」



「裕次兄さん、ホントに根に持ってるよね…。」


「まぁ、妹になるのを心待ちにしていた節もありますからね…。」






「さてさて、そんな時、雅弥くんは冷蔵庫で前日買っていたプリンを見つけました〜♪
 その時雅弥くんは、考えました。
 どうせ食べるなら、焼きプリンがいいと…っ☆」


「もういいだろーっ///」


「あぁ…。」


「ハイハイ…。」



雅季くんと修一お兄ちゃんは、
過去を懐かしむというよりも
その先にある思い出にため息をつくかのような反応だった。




「“そうだ!焼けばいいじゃないか!”」


「え…??あれ、蒸さなきゃだめでしょう…??」


「ねぇ??小学生でも別物って分かるよね〜…。」


「……悪かったな…。」


「しかも、入れたのトースターだよ〜??」


「トースターにそのまま入れたのっ?!」


「見事に容器が溶解したよね…。」


「火災報知機が鳴り響いて、スプリンクラーが作動して大変でした…。」



「何事かとみんなでキッチンに走ったら、
 水浸しの雅弥がボーゼンと立っててさ。
 何が起こったのか全く自分で気付いてないんだもん。」


「そのまま消防車も来たしね…。」


「雅季だって、間近で初めて見たって言ってたじゃねーか…///」


「…家に向かって放水準備されるまではね…。」


「あの要くんが“おおおお待ちくださいーっ!!!”って、血相変えて燕尾服なびかせながら
 消防車に向かって走って行きましたからね…。」


「…なんて言うか、大物になるよね…。」










なんだか、そんな思い出がまだまだ出てきそうで、
自分が雅弥くんと家庭を持ったとき、
その家族はどんな家になるのだろう…と、
まだまだ先の未来に想像を馳せてみるのだった。


とりあえず、お父さんたちとお兄ちゃんたちは
大変だっただろうな、と思うのでした。














――――――――――――


「…ったく…、ほっとけ…。
 もういいだろ?ほら、**、部屋帰るぞ。」





「どこにです…??」





それまで一緒に笑っていた修一お兄ちゃんの声が
一気に低くなって、
なぜか私まで薄ら寒くなった。


弁解をする雅弥くんの隣で、
意味も分からず、
それでもなぜか謝罪をしてしまう私だったのだった…。










【おしまい】

08'11.03   KAHIME.


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