松田 隆実:第2章
□はじめての喧嘩 〜おまけ〜
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【おまけ】
しばらく2人でぬくもりを感じてる時やった。
俺から体を離した**ちゃんは、意を決したよぉに言い放った。
「隆実さん、私を思いっきり叩いてくださいっ!!!」
「は……??」
な、なんの話や……??
突拍子もない話題に、俺は間の抜けた声を出した。
「隆実さんを信じれなかった自分が許せませんっ!………また……傷つけて…。」
「いや……。俺も説明してへんかったのやし…、誤解やっちゅーことが解けたんやから良ぇやないか……??」
その気迫に押されて、たじろぐ俺に
**ちゃんは変に気を遣ってると思うたらしい…。
「大丈夫ですっ!あとはラジオの収録が数本で、しばらく顔を出す仕事はありませんっ!」
「や、そうやなくて…。好きな子なん殴れるわけないやろ……??」
そう言うた時、俺の右手が不意に上がった。
「でえぇぇぇいっ!!!!!」
バッシーンッッッ!!!!!
「い……っっったぁ〜………。」
「…………って。
わっ!わーっ!!!!!大丈夫か**ちゃんっ??!!」
しばらく何が起こったんか分からんかった。
最初に感じたんは、自分の右手にジンジンするよぉな痛み…。
そんで**ちゃんの左頬には、コントかっちゅーくらい
バッチリ手形がついとった。
っちゅーか、頬骨当たったでっ??!!
俺の右手を掴んで、そのまんま自分の頬を思いっきり叩いた**ちゃんは
涙目で頬押さえてうずくまっとる。
慌ててその背中に手を置いて、伏せられとる顔を覗き込もうとした、ちょうどそん時……。
バーンッッッ!!!!!
「どうしたの2人ともっっ??!!」
おそらく俺らの声が廊下にまで響いてたんか、
えらい勢いでモモちゃんがすっ飛んできた。
鍵がかかっとるとでも思うたんか、
火事の中突入してくるかのよぉな飛び込み方で入ってきたモモちゃんを見て、
俺らは戦隊もんのヒーローを見たかのよぉに、しばらく呆然としてしまったんやった…。
【fin.】
09'07.02 KAHIME.