雅季
□夜中の休憩タイム 〜おまけ〜
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【おまけ】
「ぁ…雅季くん、明日朝生徒会じゃない…??」
「ん…、大丈夫…。」
「だって今からだと4時間くらいしか寝れないよ??先寝て…??」
「ホントに、気にすることないよ…。」
私の開いた参考書に一緒に目を通してた雅季くんは、困ったように優しく苦笑した。
「逆に気になるなら先に寝るけど…。」
「…やっぱり、気になります……。」
「ん、わかった。」
気持ちは心底嬉しいし、あったかい。
でも、低血圧な雅季くんを今日はこれ以上引っ張るわけにもいかない…。
おずおずそう伝えると、雅季くんはさして気にする様子も無く席を立った。
「じゃあ、これ先に渡しとくよ。」
「なに…??」
雅季くんの口調のテンポに、思わず首をかしげると
雅季くんは数枚の紙切れを私に手渡した。
瞬きした後、渡されたそれに視線を落とすと…
「わ、わぉぉぉおぉおぉんっ////
ディズニーのチケットだぁ〜っ!」
私の両手には、雅季くんの手からは渡らざるべき、テーマパークのペアチケットが!!!
「雅季くんが遊園地一緒に行ってくれるのーっ??!!」
「悪い……??」
「めめめめっそーもごじゃりませんっ///」
赤くした顔で少しぶすっとする雅季くんに、私は首をブンブカ振った。
「あ…れ…??他にもまだなんか………って、
映画のチケットに、展覧会のチケットに、都内有名ホテルの宿泊券カッコ食事付き〜っ!!!」
「……行く??」
「もっちろんっ!」
「じゃあ終ったら一緒に行こう。」
「いえっさーッ☆」
「あと少しだからね…??」
「おおお押忍っ///!!!」
「じゃあ、悪いけど今日は先に寝る…。」
そう言って、扉が閉まるまでこっちを見ていた雅季くん。
閉まった扉をしばらく見て、私は歓喜の叫びを上げるのだった。
「絶対頑張るーっ///!!!!」
扉の向こうに、まだ大好きな人がいるとも知らずに…。
【おしまい】
09'01.20 KAHIME.