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□銀魂高校のアイドルU
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校門にやっと着いて改めて学校に引っ付いている時計を見ると、既に一限目開始の時間に至っていた。
一限目は…確か数学だった気がする。数学担当は服部だったか?
ほわほわとそんな事を考えていると、後ろから騒がしい音が聞こえてきた。
「うわ、ヤバ!もう一限目始まってんじゃん!!完璧遅刻じゃん〜最悪だし」
ドタバタと走る女の声が聞こえ、少しウザく感じた。元来朝が弱いせいもあり、多少不機嫌も重なって余計にテンションも下がる。
『校門まで来たがもう面倒だし帰るか』なんて思っていた矢先、いきなり背後から声を掛けられた。
「…ねぇ、アンタ」
「…あ?」
遅刻した女子からの思わぬアンタ呼ばわりのせいで、さらに不機嫌に陥る。返事もいつもより低い声になってしまった。
しかし振り返って女の顔を見ると、何か違和感を覚えた。
こいつ、どっかで見た事あるな…気のせいか…?
「あ、やっぱりアンタだった!!」
向こうは明らかに自分を知っている様なのだが、その自分は、向こうが誰かを認識出来ない。
取り敢えず同じクラスの女子ではない。確かこんなド派手なヤツはいなかった筈だ。顔立ちも綺麗で、更にソフトメイクも綺麗に施されいる。今風の女子高生を象徴しているかの様に短いスカートに白のカーディガン、そして何より金髪が目立つ。
「え?もしかして忘れた感じっスか?」
「…悪ィ、アンタ誰?」
「私忘れるとかあんまいないッスよ?ホラ、前にトッシーと歩いてた時に話し掛けたじゃん」
…土方と歩いてた時…?話し掛けた…?
「もしかして、マック食べてたら話し掛けてきた女?」
「は?違うし!」
「じゃあ…地下鉄でウザい位言い寄ってきた女?」
「どんなん!?違うから!」
「じゃあ……あ、アレか。CD屋行ったらその後キモい位付き纏ってきたあの男か」
「だから違…って男オオォ!!?アンタ等どんだけ逆ナンされてる訳!?逆に凄いッスよ!?」
「あー…もしかしたら高杉とやらのファンクラブとか言ってた女?」
「あ、多分それ!」
あーそいつか。成る程ねィ。
「で?高杉とやらのファンが俺に何の用でィ」
「…用っつーか、どうせ遅刻だし一緒に行こ?って話っス」
「ふーん、別にいいけど」
まぁ何やかんやで沖田と来島は共に行く事となった。
――――この行動が来島のシナリオの範疇であると知らずに―――
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