ShortT
□差
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屯所の門には、土方さんが待っていた
眉間に皺を寄せて。
「あれ?副長じゃないですか。どうしたんです?」
「……いや、」
何か言いたげだ。
その時、山崎が耳打ちしてきた。
『隊長、チャンスですよ!!俺消えるんで頑張って下さい!』
………え?
チャンス?
「おい山崎チャンスって…」
「あっ食材早く冷蔵庫に入れないと腐っちゃうなぁ!!ちょっと行ってきますね」
「あ、ちょ…」
………行きやがった。
強烈にしらじらしい芝居しやがって。
「…………」
「…………」
……気まずい。
空気が、重い。
「あ、あのよォ」
沈黙を破ったのは土方さんだった。
「近藤さんと話してんのは、別に変な意味じゃなくて好きな奴を…どう伝えたらいいかって、教えてもらってた」
……好きな奴……。
「その好きな奴って、俺ですかィ?」
「はぁッ!?な、なんでっ……!?」
図星かィ。
めっちゃわかりやすい。
「…はは。引くだろ?男が男を好きなんてな。だから俺の想いだけでも知っといてくれ」
そう笑った土方さんは、初めて見た寂しい顔をしていた
やっぱ俺の気持ちにゃ気付いてないよーだ。
「…土方さん。」
「なんだ?」
そこで土方さんの唇を塞いだ
「っ!?」
土方さんは心底驚いた表情をした。この人意外ところころ表情変わるんだ。
暫くしてから、俺は放した
「…そ…総悟…まさかお前も…?」
「…キスまでされてまだ確信が持てないんですか?俺も好きなんでィ、アンタが」
「……総悟」
「だからもう
無視なんてしないで下せェよ?」
そう言って、俺は勢いよく土方に抱き着いた―――
END
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