ShortT

□酒の酔程恐いものはない
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昨夜、大江戸銀行で強盗事件があった


勿論警察の中の副長である俺は、既に安らかに就寝している隊士達を叩き起こして総出で事件現場へと向かった


パトカーの音が鳴り響く中、その強盗犯はその場を去ろうとバイクにまたがった



その瞬間。


こんな緊迫した雰囲気とは場違いのかったるい声が辺りを埋め尽くした




「おいおい、兄ちゃんよォ。夜の歌舞伎町ってのはなァ、金という名の強欲の塊なんかじゃねぇんだよ…」



パトカーからは、そいつ本体は見えず、ライトに照らされて出来た影が剣らしきものを振りかぶる




「ここは、性という名の欲望の塊なんだよオォォォ!!!!」



「ぶべらぁっ!!!」




影ごしに、その剣らしきものが強盗犯に当たったのが分かった



ぶっ飛ばされた犯人は、見事にサディスティック星の王子の元へ飛んでいく


既にサディスティック星の王子は、バズーカを構えていた



王子はそいつを何の躊躇いもなく撃った




「死になァ!!」



「ぎゃああああぁ!!!!!」





そうして事件は幕を閉じたのであった…




その後、強欲犯をパトカーへ連行する時、総悟と銀時が何やら話していた



「おい総悟。無駄話してねぇでとっとと帰るぞ」



「あ、待って下せィ土方さん。1つ提案が」



………やな予感……。



「今回は俺だけじゃなくて旦那も協力してくれたんでさァ。何か礼をあげるべきだと…」



「そーだぞ〜?本来なら家賃滞納金全額とこれから働かなくても大丈夫な位の金を貰わないとな」



「いやそこまでやる必要はないだろ!!俺の給料より遥かに高い金額じゃねぇか!!!」




真撰組破産するわアァ!!



「チッ……」



「舌打ちしてんじゃねー!!!」


「じゃあ、酒の宴にご招待〜とかどうですか?」



「お〜沖田君キミいい事言うね。何?タダ酒飲ましてくれんの?」


「勿論でさァ」


「オイ何勝手に決めてんだ。」


「……土方さんは、嫌なんですかィ?旦那か来るの。」



「あ……いや……」




本心は、別に来たって全然いい。

…寧ろ来てほしい



何せ俺は


あのクソ天パに惚れてンだ

でも…


総悟もクソ天パに心底惚れてる



だから、来させる事には抵抗があった



……銀時の目の前で取り合い喧嘩等が起きたら……って考えたら絶対に嫌われる



……この考え…ヘタレ?



…ヘタレでもいい。そんな事は極力避けたかった



だが、そんな俺の気持ちも知らない銀時は




「…土方くぅーん。ダメ?」


「〜〜〜〜っ!!!!」




本人は気付いてもいないだろうと思われる上目遣いをしてきた!!



「じっ邪魔したら斬るからなっ!!」


「やーりぃ〜!!沖田君やったよ〜銀さん勝ったよ」


「やりましたね旦那!!(…旦那の上目遣い正面から見やがって…土方覚えとけィ…)」




…えーと…今総悟君の()内の言葉がハッキリと聞こえたのは多分俺だけだろうな…



総悟のオーラと銀時の上目遣いに負け、仕方なく銀時も一緒にパトカーで屯所まで向かった
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