ShortT
□ユビキリ
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「今…なんて言った……?」
「だから…こう言ったのだ…晋助が……死んだと…」
俺は受話器を取り落としそうになった
高杉が………
死んだ…………?
嘘だろ……
「春雨の天人が鬼兵隊を裏切ったのだ…!晋助は拙者の目の前で殺されてしまった…。拙者が傍にいながら…すまない…白夜叉殿……」
受話器の向こうで河上が悔しそうに声を震わせている
俺は放心状態のままだった
「……夜叉殿……白夜叉殿ッ!」
河上の声にハッと我にかえる
「へっ……?な…なに?」
「あっ…だ…大丈夫でござるか?晋助が突然死んで混乱してしまうのもわかるでござるが…。あまり思い詰めないように…」
「…おう………」
「じゃあ、また何かあったら連絡するでござる」
「…おう………」
静かに受話器をおくと、よろめく足取りでソファーに近付きそのままドサリと倒れ込んだ