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□また子の夜這計画
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閑かな江戸の空に浮かぶ1つの大きい船。
その中には一際目付きが鋭い男、高杉晋助がいる
高杉率いる鬼兵隊は、今日も世界を潰すための計画を練ったり情報を集めていた…
―――と、一般的には思われがちだが、実際には―――
「はぁ〜。今日も暇っスね」
「そうですねぇ…。船上にいる故か、江戸の街が少し恋しくなります」
「武市殿。ならば今度、拙者に変装し『つんぽ』として江戸に出てはいかがでござろうか」
「はは、武市変態に音楽とか超ありえねーっスよ…」
「来島さん。私は変態じゃなくフェミニストなだけですから」
と、ジョークを交えた会話をしながら三人ですぐ近くの雲を眺めていた。
そして、肝心の高杉はといえば…
「…ん…。も、ちょい寝かせろォ………グー…」
寝ていた。
左手には松陽先生から貰った本が握られている
そんな可愛らしい高杉を見て、良からぬ事を企む輩がいた
「晋助様…//」
その名は、来島また子である。
また子は、高杉の寝室を覗きながらある事を考えていた
「(そういえば、私紅一点のハズなのに、鬼兵隊の誰かに触られた事すらない…)」
思い返してみてもそんな記憶は出て来ず、逆に悲しくなった
「(晋助様ぁ…。)」
そこで、私は名案を思いついたのだ。
『ならば。無理にでも触れさせる』と。
つまり、夜這いだ。
流石に、鈍くて可愛い晋助様でも、着物だけ羽織って行けば襲ってくれるだろう……そう信じていた
「(今13時っスか…)」
そうと決めれば決行は夜。
にやけながらまた子は自室へと戻っていった
「(それにしても…晋助様いつ起きるっスか?)」