ShortT
□つまんない
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「土方さん、アンタ今だけでも休みなせェ。どうせもうすぐ屯所戻るし」
「そうもいかねーよ…。大体、俺が休んだら誰がこのチンピラ集団を引っ張っていくんだ」
「近藤さんがいまさァ」
「あの人はあの人で、幕府との繋がりやら何やらで忙しいんだよ」
「…まぁ、でもそれはアンタも一緒だろうが」
「俺は隊士全員の手本だ。おちおち休んでいられねぇからな」
「…書類の片付けは何でアンタがやる?」
「書類は元々副長役の仕事だ。それに俺以外は手を付けられねぇモンばっかだしな…」
「なら…見回りはッ?他の野郎に任せて書類をやれば」
「……総悟?」
あれ、何考えてんだ俺
土方さんが楽になる様な事ばっか発言してらァ…。
「…すいやせん。でも、このままじゃあ確実に過労死ですぜ」
「ケホッ…そんなんで俺が死ぬタマかよ。なんだ?柄にもなく心配してくれたのか?」
「しっ心配なんかしてやせん!!寧ろ早くくたばれ土方コノヤロー!」
「はいはい」
「……?」
いつもなら
『ぁんだとコラ。誰がくたばるか』とか『まぁ、俺より総悟の方が老い先短けぇと思うがな』とか皮肉っぽく言うのに。
しかも、その後
「総悟よりは早く死ぬよ、俺ァ」
なんて言いながら俺の頭をくしゃっとした。
オカシイ
こんなの土方さんじゃない!
「アンタ…熱でもあるんじゃないですかィ?」
そう言いながら赤信号の時に土方さんの額に触れた
………っあ!?あっつ!!
「ひっ土方さん、アンタ熱…ものっそい高くないですかィ!?」
「ふ…珍しいなぁ…総悟が俺の事心配…」
「言ってる場合ですかィ!!」
よく見たら目も涙目…。
こりゃあ完全に風邪だな。
「土方さん、見回りは中止でさァ。一旦屯所に…」
「駄目だっ!まだ時間は残ってるだろ!?」
…土方さんが怒鳴った
少しは自分を顧みろってんでィ!
「何でです!?アンタが大変な事になりまさァ!!」
「…ケホッ…俺の都合で見回りが出来ねぇなんて…そんなのは俺自身が…許せねぇんだよッ!…ケホッケホッ!」
……完全に弱った体で、何を言ってんだアンタは。そんなんで俺が許すとでも思ってるんで?
それに…今更だし、こんな時だが
「……っ…ぁ…はぁ…」
土方さんスミマセン
超色っぽいんですが!?
「ゲホッ!!」
「だ、大丈夫ですかィ…?」
咳きが更に悪化してきた土方さんの顔を見ると
まずウル目
そして乱れた呼吸
めっさ顔、高揚して
極めつけは、涎!!!
誘ってる?誘われてるんですかね俺。
「だっ…てめっ…見回り続行だって…ケホッ…っ…言ってんだろーが…」
ヤバーイ!
土方さんヤメテー。
襲われたくなかったらヤメテー。
「いっいくら土方さんの頼みでもそれは聞けな…」
「そ、そうごぉ……」
ズッキューーーン!!
「…土方さん、犯しますよ…?」
「な、何…ハァ…言ってやがるぅ…っ……」
いや、すみません。本気で言ってます。
何ならもうコトに及んでも結構ですが。
俺の思考が暴走しかけた時、土方さんの無線機が鳴った。
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