ShortT
□二人で一人
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「おい、起きろ……」
「……ぐー……」
「起きろ銀八!」
「……ん、もう朝ぁ?」
「ったく、毎朝目覚まし時計無視しやがって…」
そう言いながら顔を訝しめるこの少年。
彼の名は、高杉晋助。
所謂、あの風邪で倒れた時の子猫である。
「…俺はもうリビングに行ってるかんな」
「あいよー」
寝呆ける俺を尻目に高杉は部屋を出ていった
「はぁ……」
再び独りぼっちになり、まぶたが瞳を閉じようとする
あー…このまま今日学校行くのさぼろっかな…
教師なんてやってらんねーしなぁ…
「…いや、イカンイカン…」
さぼったら高杉が怒ってくるなぁ、多分。
『何で行かねェんだ』って来るな。
「……あれ……?」
何時からだろ。
高杉がお母さんみたいになったのは。
最初の頃が懐かしい…
「銀八ー!学校いいのかァー!?」
「あぁ、今いくから」
高杉の声が家中に響く
俺は急いで学校用の服装に着替えリビングへ向かった